なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「エスプリト」 ニセコイの作家さんが以下にストーリもの向いてないか

ハンターハンターとワンピースの序盤を足してニで割って主人公を女の子にしたお話。

狭い島に住んでいて世界を知らなかった女の子が、
ある日島の外からやってきた、「世界を旅する航務員」に出会って
自分も同じように未知の世界に挑みたい、と「航務員」になることを決意する。

あとこの作品は「念」みたいな能力がある世界。(この作品ではジンクスという名前)


ただ、1話の壮大な立ち上げ方と比べると、2話から学園ものになってしまって盛り上がる冒険がなかなか始まらない。この作者さんは、自分の作ったキャラクターを愛しすぎていて、そのキャラの話を優先しちゃうくせがあるのだと思う。

だから、学園モノをやってるほうがあってると思うんだよね。


2巻まで読んだけどうーん。。。という感じ。全体の評価はまだ出来ないけど正直続き読みたいと言うほどではない。また余裕があれば。

「放課後のトラットリア」 めちゃくちゃおもしろい。が打ち切りが残念

ログホライゾンの原作者の作品。

やはり頭一つ抜けて面白い。「ゼロの使い魔」の頃のまっとうな異世界転移もの。

・まず主人公は3人パーティーで転生する。
異世界転生者が主人公パーティーだけではなく、その存在は知られている。
・バトルをするのではない。主人公たちにはチートスキルは一切なし。
 主人公はあくまで料理ができるだけ。それで異世界での生きる基盤を作っていく。

というわけで、漫画の方も小回りが下手だけど、絵はキャラの個性がわかりやすくて良い感じ。
ストーリー的にも貴族同士の権力闘いを背景にしながらおおいしそうな料理を作っていくということで楽しみだったのだけれど。

作者が逮捕されたことで打ち切りになっちゃったのね。残念。

「まぬけなFPSプレイヤーが異世界へ落ちた場合」 BTOOOM!読んだほうがいい

イマイチ。

マヌケは文字通りの意味と「魔力なし」という意味を掛けている。

が、それはあんまり重要じゃなくて、FPSゲームの武器やスキルがそのまま使えることが重要。

なろうにおいて「武器開発」系の作品はたくさんあるが、だいたいどれも描写がぬるくてダメなので、
それよりはこういう風に最初からチート能力として持ち込むほうがまだマシかもしれない。

ひたすらバトルばっかり、しかも銃で撃ち殺すだけということで、あまり創意工夫は感じられない。
ただ、これ文字で表現してるのだとしたら、そっちは結構大変そうだと思う。

「ギャル転生~異世界生活まじだりぃ」 意外なことにこれ面白いわ。

まず異世界に転生するのが3人のパーティーっていう時点で面白い。

主人公の一人語りは読んでてうんざりするので。
(魅力あるパーティーを組んでるなろう作品はいくつかあるけどね)

この作品は最初から仲良し3人組なのでその点平気。
また、バトルよりもとにかくギャルがそのまんまのノリで異世界ではしゃいでるのが面白い。


その上で、世界観それなりにしっかりしてるし、
最終的には全然その自覚なく世界を救ってしまいそうなのもいい。

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レベル999の村人  まおゆうやランスの劣化版って感じ。原作がダメ

とりあえず、主人公は強くて、魔王ともしりあいで、魔王も人間を滅ぼそうとは思ってなくて。
主人公は人間と魔族が共存する世界を望んで、魔王の娘アリスとともに行動する。 そんな話。

「お前はまだこの世界の仕組みを知らない」
「あんたがさっきいった、苦しむ人々のためって言うけど、その人々って自分勝手だと思わない?」
「モンスターって、なんでお金を落とすんだ?」
「こういう仕組みになっている、世界が悪いんだよ」
「彼は、父親はモンスターに、母親は人間に殺されたのよ」

漫画としては上手いと思う。
多分最初の冗長な説明を省いて、読みやすいところからスタートさせるなど、漫画家さんなりの工夫がされている。


なんでレベル999なのかはなかなか説明されないが、それ以外はまおゆうの劣化版という感じ。



・・・というわけで、レベル999の謎が明かされるまではそこそこ興味深く読んでいたのですが。



レベル999の理由が判明した後の僕。




はああ・・・・・・・・・・・・・(でっかいため息)

全然説明になってない。急に読む気なくなった。





あとさー。サルマリアの冒険者が助けにくる展開?
ロトの紋章を意識したのかもしれないけどさ。
そうやって村人とモンスターが戦いにならないために頑張ったんでしょ?
魔族が攻めてきたことを村人が知ったら、滅ぼされなくたって、人間と魔族の敵対意識が強くなるでしょ。



なんにも考えずに物語作りすぎでしょ。

「2月の勝者」 サービス業は絶対にブラック企業になってはいけない

前の記事では、
塾はクソだが、「非生産的で益よりも害のほうが大きい学校」よりは、まだ塾のほうがマシという話をしました。
とはいっても塾に問題がないとは全く思ってないと言うか、塾は塾で、ものすごいクソなのは間違いない。
塾経営者は、自分がやってることがただの営業にすぎないとわかっているくせに、
意図的に従業員に「教育者」のイメージを背負わせ、やりがい搾取を企むクソばかりです。全員死ねばいいと思います。


この漫画は、その当たりについてちゃんと考えているのが良い。

オーダーメイドとか、まず現実味がないですね。
それをやったら、あなた毎日サービス残業のあらしですよ。

私は確かにサービス業に徹しろとは言いましたが、ここをブラック企業にするつもりですか?
全く、サービスの履き違えもいいところです。

難しく考えすぎです。(大事なのは唯一つ結果、実績なのですから)
もっと、ものすごくシンプルに生徒の成績を上げる方法を考えましょう。
こちらが一から十まで手取り足取りフォローする必要はないんです。

基礎の計算問題の重要性が未だにわからないようなできない子は、
できる子と同じことをさせること自体が無意味です。

あなたは、出来ない子供の味方、みたいな顔をしているくせに本当に出来ない子のことをわかっていない。
どれだけ励ましの言葉をかけようが、味方のふりをしようがそれは自己満足でしか無い。
点が取れたという事実、どんなご褒美よりも、これにかなう喜びと原動力なんてない。

手段の良し悪しを論じる暇があったら、あなたはもっと生徒一人ひとりをみてください

本当にブラック企業をなくすのは、こういうアイデアだと思う。

顧客が本当に何を求めてるのかの中核だけをピンポイントで撃ち抜く。
「それ以外のところは低コストで済ませる」ということ。



ご飯を山盛りにするおばちゃんの店は繁盛するとか。
すてーき「けん」の立身出世物語とかが参考になる。
実際は手抜きなんだけどサービスをよく見せる方法はある。
それでも、「中核」部分が抜けてたらいくらあれこれ丁寧に接客しようがいろんなサービスしようが無意味。

でも、経営者はそのあたりを自分で考えずに現場に押し付ける。
とりあえずタダだからなんでもやらせようとする。

本当に良い経営者は、「あれはやらなくてもいいから、この点だけは絶対にしっかりやれ」という人だろう。

「2月の勝者 絶対合格の教室」 ドラゴン桜は完全なファンタジーだがこっちはちょっとリアル寄り

ドラゴン桜」はファンタジーだ。

1年勉強すれば東大に合格できる、ということがではない。
底辺校で、たった二人のためにあれだけのスタッフを揃えられるということがファンタジーだ。
あと、言うまでもないけど、あれ絶対1年の描写になってない。2年以上は時間をかけている。
保護者とかの厄介な要素がかなり都合よく機能していたり、物語に不要なものをあちこち捨ててるあたりはラノベ的であるとさえ思う。

だが、悪いことではない。あの割り切りは嫌いではない。
あの漫画に描かれているエッセンスは大きく間違っているわけではない(間違いもある)
ドラゴン桜は、「塾や学校なんかどうでもいいから自分だけは、自分の子供だけは勝たせたい」という人たちの本音を刺激したという意味では実に巧みな作品だった。




それと比べると、この作品は中学校受験の話だが、割とリアルよりだと思う。
ただ、どちらも共通していることが有る。

受験産業に関わる人間は教育者ではなくただの営業マン

塾講師は、教育者ではなく、サービス業ですよ
お金をかけた者が圧倒的に有利。
こんなシステムで成り立っている職業の、どこが教育者ですか?

我々はいわば、指定席券を売る業者です。
なのに、綺麗事を並べててて特急の券を買わせずに

わざわざ生徒を自由席の列に並ばせるおつもりですか?さんざん並んで待たせた挙げ句、席も取れないかもしれないのに?
それなら、お金を払ってくれれば確実に券をお渡しできる業者の方が、客のお望み通りでしょう?

これね。

この部分では共通してる。

多くの、特に受験勉強を経験してない親はこれがわからない。
わからない人たちにそれを売るのだから、営業マンなんだよね。



営業マンとして優秀であるために

ちなみに営業マンっていうと口が上手なだけで中身がないとか思ってるやついるかも知れないけどとんでもない。

優秀であるためには、十分な知識が必要だ。

この漫画は現在の受験情勢をちゃんと抑えているし、

「公立の中高一貫校って首都圏に22校もある。
私立も、伝統名門校ほど高校募集をやめている。
高校から入れたはずの自分の母校が!?って保護者の人多いんじゃない?
今の子達には選択肢が少ない。時代が違うのね。

顧客のニーズを踏まえている。

ちゃんとしたプロの仕事だ。


教育産業は「教育者」というゆるふわな概念に依存してプロ意識がない人が多い。「プロの教育者」は尊敬に値するが、ただの教育者もどきは、プロの「教育産業屋」に負ける

子どもたちの教育について、特におちこぼれの生徒に対しては、中途半端な善意など全く無意味である。
教育について、素人が良かれと思って語るないようなどクソばかりなのだ。

この作品は、そういう「自分が落ちこぼれて苦労したから、子どもたちには苦労させたくない」という気持ちで
とりあえず善意であれこれやろうとするが失敗しまくり、逆に、客のことは金づるとしか思っていない人間が、その子供に成果を上げさせる作品になっている。
この新人教師のキモチはよくわかる。私だって最初はそういう気持ちで教師をやっていた。
でも、それは「子どもたちのためによくない」のだ。

素人や新人教師が、自分の感性で、子供を判断するなどもってのほかだ。
「子供に合わせる」というのはそんなに簡単な話じゃない。

なるほど。生徒のためを思ってやっている、という建前に甘えたぬるい雰囲気がすべての元凶ですね。

そもそもなぜこの子達は、受験に足を踏み入れたのか考えたことはありますか?
親御さんたちは、中学受験を決めた時、もしかしたら
うちの子はあのあこがれの学校に届くかしら?と考えて大金を払い、時間も犠牲にして入塾させた。

基本的に最初は親は受験を甘く見ています。
「塾に入りさえすれば勝手に成績が上がっていく」と甘く考えています。
(だから、子供には志望校高めに設定させたほうが喜びます)

もちろん現実は違う。塾に通うだけでは全く上がらない成績。
なのに増えていく月謝。そしてこれだけ金をつぎ込んで、引くに引けない状況。
それに対して「やっぱりこの子には厳しいですね」などとぬるいことをいう塾の先生。

自分が親だったらどうしますか? 僕なら、そんな塾は転塾させますね。真剣であればあるほどそんな塾に子供を預けられない

残っているのはそんなぬるい雰囲気でも構わない、子供にあったレベルでも構わないと考えているぬるい保護者だけです。

よく、上位校に無理して入ったら苦労するぞみたいなこと言う人いますよね。それ自体はそのとおりです。

でも、子どもたちがそうだからと言って、教える側が妥協してるようなところに誰が行くかって話ですよね。
ライザップや東進衛星予備校は本当に人間的にはクズだけど、それでも結果にコミットすることについて妥協はない。

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まぁ、私は東進衛星予備校が大嫌いなので、あれをぶっ倒してくれる存在を心から求めてるけどね。

でも、今って「教育者」側にプロがおらず、全く子供や保護者を満足箚せられないからこそ
保護者としては「せめて受験だけでも」っていう方向に流れていってるんだよね。
そのことに、学校関係者はいい加減向き合うべきだと思う。
素晴らしい先生はたしかにいたけど、9割はクソでした。

私は入学偏差値60くらいの私立高校で4年働いてその後塾講師もやったけど、学校のほうが塾よりはるかにひどい。

受験業界はたしかにひどい。ブラック企業だし従業員を大切にしない。経営者はみな死んでしまえと思っている。
それでも、従業員を犠牲にしている代わりに、親から法外な料金を取る代わりに、顧客に成果を与えようという部分では頑張ってる。
それに比べたら学校はもっとクソです。非生産的な活動のそびえ立つクソの山です。
働く先生たちを過労で殺し、それでいて生徒たちから莫大な時間を奪って何も与えない。
真剣に働いている先生たちには敬意を表するけど、大半の先生は、私も含めて、子どもたちに悪い見本を示してるだけ。害のほうが大きい。
今の学校教育の制度なんて、一回滅びてしまえばいい。