はてブの人たちが考える「日本の企業の生産性が上がらない理由」とその対策

http://anond.hatelabo.jp/20131017181110
への反応でいろんな意見があって面白かったので興味有るのをピックアップしてみた。

昔は２ちゃんの意見がバラバラになった時に「○○は△△△だよ派」を整理した派閥図ツリーを作ってくれる職人さんが自然と出てきて、あれものすごく良かったなーと思ってるんだけど今はすっかり見かけなくなってしまった。何でだろう。

自分もやってみようと思ったのだけれど、それ用のツールとかあったら教えてください。

まず「社員像」を明確にしろ

・脱社畜氏はX理論、ちきりん氏はY理論
・ちきりんさんの生産性はアメリカ系企業の文化の話をしていて、こちらは生産性を上げるためのノルマづけの話をしている
・自発的に改善する作業は業務に含まれてませんから！

http://leadershipinsight.jp/dictionary/words/mcgregors_motivational_theory.html
X「人間は生来怠け者で、強制されたり命令されなければ仕事をしない」
Y 「生まれながらに嫌いということはなく、条件次第で責任を受け入れ、自ら進んで責任を取ろうとする」

基準として想定している人間像がそもそもばらけている。レベルの高い企業ならともかく、一般レベルでＹ型の自発的な人間を想定・期待するのは無理があるという考え。まず社員のペルソナも作れずに、生産性を上げる施策がうまくいくわけがない。

まず最低限の概念についての「社員教育」「知識の共有」を何とかしろ

・KGI→CSF→KPIの順にちゃんと定義しようねって普通のマネジメント話。ただし知識労働者は専門性が価値ゆえに各々が他者を評価できず結果として自身すら評価できない。チームが目標達成しても個々の評価は曖昧なまま

・「検証可能な目標を設定し、可能なら数値で成果を示す」と後輩に話すと、目を白黒させて「難しい」と。そういう教育しないで、「頑張れば誰かが見てくれる」というのを教えるのは怠惰か宗教。

マネジメントが機能するには、そういう教育や企業文化が必要だがそれがないということ。トヨタ式をマネして成功している企業が少ないのは有名な話。

http://www.innovations-i.com/column/jsmf/9.html
KGI　　 :Key Goal Indicator
CSF(KSF):Critical Success Factor
KPI　　 :Key Performance Indicator

こういった考え方についての教育が必要ということだが、
当然管理職以上は研修等でこういう考え方を学ぶし、事業部長なども事業方針説明会などでこういう話をしたり設定したりするのだが、たいていブレークダウンされない。末端社員が「ザ･ゴール」とか読んでその考え方を知っていてもあまり活かせたためしがない。

まず「村社会的な仕組み」を何とかしろ

・早く終わったら早く帰っていいという「遊び」の部分を許せたらいいんだけどね。日本は同一民族の村社会過ぎて、それが許されないからプレイヤーよりのプレイングマネージャーとか、権限のないクソ管理者ばかりになる

メンバーシップに給料払ってる以上、生産性の評価なんてあり得ない。ムラ社会的（メンバーシップ型）な組織である以上、暇になったら他の人間のフォローを要求されるし、それについての評価はない。生産性の高さより勤勉さとかコミュ力ばかりが評価されちゃうのでどうしようもない

まず「インセンティブ」をなんとかしろ。

・生産性も含めた賃金体系は裁量労働制の契約においてのみ実現できるんだけど日本で本当の裁量労働制の契約は皆無。結局時間単価が下がるだけ
・日本の労働制度は、法律も評価も給与も「工場労働者」を想定して作られてる。時給で単純作業で経験と共に必ず熟練して給与が上がる。ホワイトカラーにはそぐわない。

そもそも日本の賃金体系や労働体系じゃ生産性に対してインセンティブを提供できない。
日本の成果主義は、「時間給」の仕組みを維持しているため、「長時間働いて成果を上げることが苦でない人」以外の全ての人にとって逆のインセンティブが働いているという話。

まず「ブラック企業への対策」を何とかしろ

・どんなに生産性を高めた職場を作っても、サビ残バリバリのブラック企業には負けてしまう。サビ残でいい職場を日本から駆逐している構造を変えない限り日本は負け続ける。

そもそもグローバルな競争を戦っているという意識が全くないのを何とかしろ

ちきりんさんの元記事はこういう話だと思うの。

ただ、これ見てたら「勝てる気がしないので諦めます」って気分になってしまう俺ガイル