なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

ARMS その1

中二病のバイブルとして非常に有名な作品。とにかくまじりっ気が殆ど無い純度の高い中二病要素の数々が魅力的。

「力がほしいか……欲しいなら、くれてやる!」という台詞や
世界のすべてを牛耳っている組織「エグリゴリ」、高槻ママの設定「笑う女豹」「地獄の黒魔女」など、あらゆる意味で今となってはテンプレのような設定の数々であるがそれを最後まで描ききったことで唯一無二の強さを誇ってると思う。

実際に読んでみると、中二病設定の主人公というのはギフトというよりは呪いのようなものであり、恩恵よりも責任やリスクのほうが大きい。力は与えられればそのまま最強になれるというものではなく、常にその力を制御することが求められ、さらにアイデンティティが侵食される恐怖と戦わなければならない。

そういう「当たり前」をちゃんと描こうと思ったら、このくらいの長さが必要になるんだなと思います。分量的にも後半わずかにダレる感じですが、長すぎず短すぎず、いっきに読めるいい作品だと思う。


現在ではこの作品の精神は「ニンジャスレイヤー」に引き継がれている……のかなぁ?



「第一部 覚醒編」 いままでの現実の徹底的な破壊

徹底ぶりが半端ない。

単に日常を破壊するだけにとどまらず
今までの記憶すべてが嘘かもしれないという揺さぶりをかけ
唯一確かなものとして希望にしていた幼馴染も目の前で爆弾に巻き込まれて……

じゃあ……俺の母さんや、父さんはいったい誰!?
そして……カツミは……

現実が……現実が崩れていく……

俺たちの身体は、俺たちのものだ。
俺の心も、俺のものだ。
誰がなんといお言うと、俺は俺だ!
他人の押し付けた運命なんかに従うものか!!
他人の勝手な都合で消滅なんかさせられてたまるもんか!!

消されるもんか!!
俺はおまえらの思い通りにはならないぞ!
俺達は、自分の運命を取り戻すんだ!

俺の現実は、崩壊した……
両親も、カツミも失った。
そして、現実は……未来はいったいどこに向かっているのだろう…

(この展開、最近だと西尾維新の「悲鳴伝」で見たけど、あっちは主人公が最初から壊れてるからな・・・)


主人公である高槻涼は「エグリゴリ」という組織に襲撃され、
「日常の象徴」である幼馴染みのカツミを失ってしまったことで
目指す方向性を失い、自暴自棄になってしまう。。。



第二部開始


すべてをうしない、エグリゴリへの復讐を誓う高槻涼。

俺は、逃亡者じゃない!復讐者だ!

今じゃ、身体は愚か、心の中まで怪物だ……

それでも、すんでのところで踏みとどまる。

そして、反「エグリゴリ」組織ブルーメンの基地にいき、

カツミが生きている「かもしれない」ことを知りようやく生きる目的を取り戻す。
(実際は、キース・レッドの罠だったりするし、さらにネタバレするとおいなにをするやめr


X-ARMYによる襲撃

その後「ブルーメン」に勧誘されるが断り、一度それぞれの家に戻るものの
「エグリゴリ」の下位組織「X-ARMY」に襲撃される。

この際に、ジャバウォックが高槻涼の意思を奪おうとするがなんとか耐える。

力が欲しいか!?力が欲しいか!?力が欲しければ我を呼べ!くれてやろう!
なに……簡単なことだ……お前の意思を我に渡すがいい!
そうすればあの程度の空いてなど我の力で簡単に消してやる!さあ、お前の意思を我に渡せ!

我はエグリゴリを消すべくして生まれしもの……
我の邪魔をするものは何人たろうと許さん! 潰し、壊し、殺してやる!!

ちなみにここで出てくるキャロルは「浅上藤乃」と同じく
なんでも曲げる能力の持ち主。どっちのほうが早いかな?

俺は、この子を殺さないよ。
なぜなら、この俺が殺したくないからだ!
俺は戦士の道を選んだんだ。自分の意志を自分で決めるためにな!

あなたには、これから生きていく上でどうしてもやらなければならないことがあるわ。
それは、あなたの中に潜むもう一人の敵を倒すこと!それが本当の戦いなのよ!
あなたが人間として生きていくための……

この戦いにおいて、高槻涼は「久留間恵」とも共闘することになりようやく4人が揃う。

仲間っていうとどうもニュアンスが違う。
俺たち、生まれたときから自分の意思とは関係なく
ARMSを移植されて、同じ運命を与えられちまっただろ?
つまり、俺たち……同じ運命の下で生まれた兄弟みたいなもんじゃねーかってね。
たとえ血がつながっていなくても、
どれだけ過酷なことが起きようと、決して置き去りには出来ない。
それが俺たちが最後まで信じあうことができる絆だと思う。

ここが、エヴァンゲリオンのシンジくんと高槻涼の最大の違い。
高槻くんは、親に愛されて育ってるし、事件が起きた後でも母親の愛情を確かめることができてるんだよね。
久留間恵は、アスカ・ラングレーみたいな娘だけれどここで壁を作らずに済む。



レッドキャップスによるスナーク狩り

X-ARMY撃退後、エグリゴリの超人部隊「レッドキャップス」の襲撃を受ける。
鐙沢村ごと「スナーク狩り」作戦に巻き込まれる。
(※ちなみに、この作品中で言われている「スナーク狩り」作戦は架空のものであり、現実には存在しない)
ドラゴンクエスト ロトの紋章」で同様の作戦があったね。

勇気なんてものは私にだってはなからないのよ。
みんなを救ってやるなんて浮ついた責任感もね。
でも私は、逃げるようなマネだけはしたくない。
私は、私の息子やみんなが死んでいくのを
指をくわえて見てはいられないだけ。
だって、私は涼やみんなを愛しているモノ。
私はいつもそうやって戦ってきた。
自分の持っている出来る限りの力をみんなに注ぐことができれば、なんの後悔もないわ。


ついでに隼人や武志も覚醒。

力が欲しいか!!
我はまっていた……
我が主君が、仁愛の心を持つことを。
我が力を得るにふさわしい資格を持つことを

お前は我が力を手にする資格を得た。
自分の命を捨てても仲間を守る道を選択した。
それこそが我が力を発動させる、真の勇気だ。
さあ、我が力をどう使うか、我に示せ!
割れはそれに従う!





余談2 高槻母のレッスン(4巻)
①よく覚えておきなさい、涼。
 どんな戦況下においても転機というものは必ず訪れるもの。
 そしてその一瞬のチャンスは逃さない。

②もっと周囲の状況に気を配らないと、この先生きていくことなんかできないわよ

③敵を叩くときは徹底的に最大の攻撃力で攻めること。

④戦いというものはいつでも流れを把握して冷静に対処しなきゃ駄目よ

⑤もっと今まで生きてきた自分に自信を持ちなさい!
 そうすれば、あなたは誰にも負けないわ。

子育て以上に大変な戦場はなかったわ……
たしかにあなたは私がお腹を痛めた子じゃない。
でも、これだけは覚えといてね。
あなたは、私が障害でもっとも心を痛めた、自慢の息子よ


余談3。

この作品でもチョバムプレートが出てきて笑う。
パイナップルアーミーでも出てきたけど、チョバムプレートってなんなんだ。