「終末のイゼッタ」 とにかく「ドラマ」が全くない不思議なアニメ
イゼッタはこの世界で最後の魔女となる。
魔法はこの世界から消えうせ
おとぎ話の中にさるでしょう。
忌まわしき爆弾や兵器たちとともに
キャラデザも映像も動きも音楽も良かった。
ただストーリーが全くおもしろくなかった。。。
終始醒めた気持ちで最後まで見てた……。
基本的に面白くなかった作品については言及しないのだけれど
この作品はなんというかあまりに変てこな作品だったでちょっとだけ言及。
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いろんなことをやりたかったのはわかる。
各キャラがそれぞれしっかりとした「設定」や「ストーリー」を持っているのもわかる。
でも、それらをすべてやろうとしてすべて中途半端な感じになってる感じ。
全部思わせぶりな感じで描くのみにとどまって、きっちり消化してくれない。
小説ならいいんだよね。読者がそれを想像し補完すればいいといえばいい。
でも何のためにアニメを見てるのかというと「絵」でしょ。
「象徴的なシーン」がみたいわけじゃないですか。
この作品ではどういう絵が見せたかったんですか。それがわからない。
何一つストレートに伝わる「絵」がなかった。
だってさ、この作品他の人間があれこれ動こうとも、
明らかに魔女イゼッタか、魔女ゾフィー次第なわけじゃん。
比重というか負担が偏りすぎてるのね。
こんな状況で、イゼッタと離れたそれ以外の人間を中途半端に描いたって
「どうせイゼッタ次第」って思ってるから全然響かない。
しかもそういう余計なことをやってるせいで肝心のイゼッタやゾフィーに関する描写が弱い。
そのせいか、尺を詰めるためにイゼッタの行動原理が極端にならざるをえなくなってる。
多分、「強大な力を持つ普通の女の子」が怯えたり怖がったりしながら
それでも大切な誰かのために命を捧げるって話にしたかったんだろうけれど
はっきりいって物語が開始した時点でもうイゼッタの心はすでに固まっていてそういう葛藤が感じられない。
最終話におけるゾフィーとの掛け合いにしたって思想の対決になってない。
ゾフィー「私は信じた人間のために必死に尽くしたのに裏切られて辛い目にあった。復讐してやる」
イゼッタ「あんたの恋人は王様だったんだから、悩んだとは思うけどお前一人より国を優先するのは残当。
私はお前と違って私は姫様のそういう所知ってる上で姫様のこと好きだから自分からすすんで命捧げるぜ」ゾフィー「ちょwwwそれお前が壊れてるだけだろwww」
お互いに自分の主張して、それがまったく噛み合って無くて、結局そのまま力勝負で決着つける。
ドイツとスイスの関係についても一緒。噛み合わない。
とにかく「ドラマ」がない。コミュニケーションが出来てない。
みんなそれぞれのストーリーを持ってるのはわかるけれどそれが他者とぶつかって相互作用を起こすことがない。みんなそれぞれ勝手に物語上で自分の主張やストーリーを繰り返すだけで人と交わらない。 唯一フィーネとイゼッタの間にはそれがあるが、それは物語が開始する前の話で、物語中にはやはりそういうやりとりがない。
フィーネとイゼッタの百合でもいい。
イゼッタとゾフィーの戦いでもいい。
ほかは差し置いてもこれだけは見るべき、という何かが欲しかった。
どんなつまらんアニメにも何かしらそういうものはあるものなんだけれど、
この作品はいろいろレベル高かったはずなのに、何も感じなかった。
もしかしたら、それも狙いで
それはほんの小さなものかもしれません。
でも、現代に現れた白き魔女のおとぎ話は
きっと世界中のみんなに、なにかを残したはずだって…
「形あるものは何一つ残らないけれど、人の心に形のないものが残る」という話を描きたかったのかな。
でも悪い毛d、多分私、このアニメのこと1週間後には完全に忘れてると思う。