なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「Ibインスタンドバレット」  現実や世界そのものを否定しようとすることの滑稽さとそれゆえの切実さ

とりあえず1巻だけ読んだファーストインプレッション。
緑のルーペ「ブラックパレード」みたいなアンチ日常系の作品かな。


アンチ日常系は、基本的に救いがない。
なぜなら日常を破壊したりそこから脱出したところで、その先にあるのは別の日常だから。
一通りあらがった後で救いのない現実と向き合うことを強いられることになるのが定番である。
最初から勝ち目がない戦いである。敗北は約束されている。

 

そして、登場人物は完全なバカではない。
そのことはよくわかっている。
わかっているからこそ、考えすぎて厭世的になってしまう。
しかし、だからこそなお抗いたいとも考えるのである。
単にあきらめて受け入れる前に、何かしら行動したいのである。


一言でいうとモラトリアムである。
こういう作品は、この「モラトリアム」を死に物狂いでやってみたいのだ。
自分の中に抑えきれないくすぶりがあって、
そのくすぶりを部活やビジネス・友情や恋愛という形で昇華できるなら部活物にいく。
こういう作品の主人公は、それができない。
だから現実の外に、中二病の世界にその道を見出すしかない。

この作品のキャラクターも御多分に漏れずである。


ヒーローごっこが楽しいかって?

私のお父さんはトラックにひかれて死んだ。
事故の原因はよそ見運転とか飲酒運転とかじゃなくて急に横切った猫を避けて、だった。
運転手のひとも一緒に死んじゃったし。誰も責められないじゃない。
私は結局、この世界に「敵」を見つけ出すことができなかった。
こんなに歯がゆくてどうしようもないことばかりなのは
ただの不運と、みんなが抱えるひとかけらの悪意、その重なり合いでしかないことに気づいてしまった。
そうでしょ?

だからさ。
明確な敵がいるってのはすごい幸運なんだよ
あんなマンガみたいにわかりやすい悪の怪物なんて
奇跡としか言いようがないでしょう?
私は、ようやくこの世界に復讐できるの。
楽しくないはずがない


そんなわけで、この作品は主人公が中二病の世界でモラトリアムというか現実に対する反抗期を過ごす物語だ。


だが、この作品は特徴として「日常を守る側」と「日常を壊す側」の二人の主人公がいる。

その二人がその能力に応じ、反目しあったり、わいわい騒ぎながら日々を過ごす。

その結果がどうなるかというと・・・てな感じだろうか。



面白そうなんで最後まで読んでみようと思う。

 

この作品は、私が最近はまってる「カグヤ様は告らせたい」と同じ作者さん。

「カグヤ様は告らせたい」においては、ボーイとガールがバトルという形で鎬を削りながらイチャイチャしてた。この作者さんはそういう関係性が大好きなのかもしれない。


というわけで続き読んでいくことにするよー