なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

3×3 eyes 幻獣の森の遭難者前半  「だいたいベナレスが悪い」

人間の幸せってのは基本的に「交換」なんだよ。

物理的にしろ精神的にしろ、交換による化学反応で幸福感が生まれるんだ。

宇宙飛行士の資質もそれさ。どんな状況でも「交換」できるやつさ。

つまり、もらうだけじゃつまらないのさ。

我々は与えることにも喜びを感じるんだ。

ベナレスとの闘いから後12年後。
藤井八雲はサンハーラの後無事にパイの元に帰還し、
その後は妖撃社のリンリンの下で働いてた。
(ベナレスとカーリーは月の龍皇城に居留)

八雲はずっと何かを求めているの。それが何かはわからないケドずっと
サンハーラから帰ってきてからずっと……
欠けてしまった自分のかけらを探すようにずっと……
万が一、争いから喜びを見出して、求めていたのが闘いだったらどうしようって不安なの。
八雲がベナレスと同じになっちゃうって

そんなある日、八雲はある事件の依頼でパリに赴く。
そこで獣魔を使える女子高生たちと、ノルマルテという青年、
それから九頭龍将配下の生き残りであるウゴバクとゲゲネイスに襲われる。

その闘いの途中で「甲子美智瑠(きのえねみちる)」という少女に接触する。


ノルマルテたちの正体は、もともとベナレスに仕えていた「魔獣」

・獣魔術を生み出した後不要となり、見捨てられる。
 ノルマルテはまもなく寿命が尽きる。


・ノルマルテと一緒にいた女子高生たちはノルマルテが保護した少女。
 特にみちるは死病に冒されていたが、
 ノルマルテの「合成」の能力を使って命を助けられている。
 そのおかげで獣魔術も使える。
 みちるだけは、ノルマルテが死ぬと一緒に死ぬ。


・ノルマルテが藤井八雲を襲うのは八雲とみちるを合成させるため。
 具体的に言うと、獣魔を生む母性獣魔であるエキドナを召喚したいが
 これをいまのまま召喚すると、ノルマルテが耐えられない。
 だから八雲の不死の能力が必要。


真実は、人の数だけあるんだ。気にしてたら飯も食えないぜ。

だから、どっちでもいいよ。
君の感じた通りでいいよ。
俺が嘘くさくて悪魔に見えればそれでいい。
他人の言葉は信じなくていいんだよ。

非力な虫けらたちのやさぐれた気持ち

えーと。だいたいベナレスが悪い。

ベナレスは、必要に応じて「戦うことでしか喜びを感じられない生き物」を作った。で、必要な時はそういうのを使ってたのに、いらなくなったらポイポイ捨ててしまう。そのせいで捨てられた魔の者たちが、生き延びるためとか、退屈を持て余して、とかの理由で暴れる。

そして、ベナレスはそういうのに興味がないから放置してしまう。それでややこしくなる。一方、ゲゲイネスやウゴバクはこの計画を知ったうえで、それを破壊のための計画へと変えてしまう。


底辺の人間の恨みつらみの究極は「ベルセルク断罪の塔」編のベヘリットだが、このウゴバクもなかなかゲスイ。

「目的なんて前向きなことはくっだらねえ。
この世で一番面白いのは、人が嘆き苦しむさまだ。
世界が壊滅するなんざ最高におもしれえじゃねえか

ウーカイ!お前に非力な虫けらの気持ちがわかってたまるかぁ!」


これに対抗するウーカイちゃんなかなかヒロインやっててかわいい。

「なめんなよ。九頭龍将からムシケラへと落とされたアタシにわからいでか!
 だけどな、ムシケラにも矜持はある!
 こんなアタシでも、弱みを見せて泣いてすがってくれた奴がいた!
 こんなアタシでも必要としてくれた!!
 この喜びを見失ってたまるか!!
 恨みつらみで眼をくもらせてたまるか!!
 だからヒネた心はすっぱり捨てた!
 アタシはこの世界を守る!好きだから!!」

生きがいを求めるノルマルテと、死に場所を求めるゲゲイネスの違い

みたいな話もあるけど、もうウコバクとウーカイの話と同じなので省略。