なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

3×3 eyes 37巻メモ  パイの「三百年の孤独」

31-36巻については読んだけど、

八雲がなぜ自分を徹底的に傷つけてまで人を助けようとするのか、彼の子供時代の秘密が明かされる展開、とか

ウシャスが死んだあと鬼眼王にとらわれたラートリーたちを救出する展開とか

葉子さんと、リバースハーンくんからみの「ドッペルゲンガーの恋人」的展開とか

アマラが単身鬼眼王と戦っていいところまで行くが敗北し死亡する展開とか実は1つ1つはすごく面白いです。

それぞれこの1つ1つのネタで物語作れちゃうくらい面白いネタだと思う。



ただ、物語がもう「鬼眼王が世界を滅ぼす(?)寸前」というところまで来てしまっている。

そのため、本来であれば超絶面白いはずのエピソードなのに

最大までテンション上げたところで寸止めされて引き伸ばされてる感覚を味わってしまうんですよね。

すごく勝手なことを言うと、あくまで物語的には、そういうエピソードは「もっと早くに消化しておけよ」という感じ。

実際は、ここまで危機的な状況になったからこそ、上のような展開が起きるわけなので、なにも間違ってないはずなのに、割れながら不思議。






というわけで、面白いといえば面白いのだけれどやはりすこし間延びしてる感じ。ちょっと先が気になるので後回しで。




で、37巻。

うん、もうこのあたり完全に覚えてなかった。

 

今までパールバティ4世は

八雲にとって、傍若無人に自分を引っ張りまわし、また戦闘においても常に強気で自分を導いてくれていた。
八雲にとっては「強い人」であり、実は常に頼るべき存在を求めている八雲にとっては、だれよりも頼りたい存在だった。

(※実際は30巻あたりからはもうかなり精神的に弱気なところやもろさを露呈させており、
 読者としてはすでに、パールバティーの弱弱しいところはさんざん見せられているのであるが)


ところが、ついにパールバティ4世は自らの弱みや嘘をすべてさらけ出す。

三只眼が壊滅した日、なぜパールバティ4世は一人生き延び、たった一人でシヴァを封印できたのか

儂は強くなどない。もともと弱いのだ。そして許してほしい。
今までお前に偽ってきたのだ。儂の過去を。

300年前、一族の者たちと鬼眼を封印した日のことじゃ。
気が付いたら一人になっていたと今までは言っておったな。

それは嘘じゃ。本当はなぜ儂が一人生き残ったのかよう覚えておる。
だれにも言いたくなかったから記憶がないことにしたのじゃ。

聞いてくれヤクモ。
儂は強くなどない。もろい。とても弱く、卑しい。だからこそ儂一人で鬼眼を封印できた。



あの日、シヴァは儂を助けるために一時だけ鬼眼王から意識を独立させ、
己の体を自ら破壊することで鬼眼王を止めたのだ。
その痛みにシヴァの体は歪みながら、それでも耐えておった。儂を助けるために、必死に、必死に!
それなのに儂は、臆病者の儂は、シヴァを封じた!

儂は、恐怖に駆られて裏切った。体を張って儂を守ってくれたシヴァを……儂は……


じゃが・・・・・・・もはや儂を責めるものはおらなんだ。
朝も夜も……恐ろしき者も、愛しき者も……誰も……誰も……



儂は脆い。
安全な場所にいたればこそ、「聖なる力」で戦うなどと息巻いてこられたのだ。

儂はもろい。
だから、罪の意識に、自分の醜さに、孤独に、耐えられなかった。
この生を誰かに押し付けて眠りにつくしかないと思った。

そのために悲しい記憶を封印した新しい人格、もう一人の自分を儂は作ったのだ。
サンジヤンの力を捨てていつか人間となる日までの孤独を押し付けるために。




儂は気高くも強くもない。醜く、弱い存在なのだ。

「パイ」には済まぬことをした。
何も知らず300年間も一人でさぞかしつらい思いを……

ところで。

このエピソードも、単体で見れば壮絶なんですが、

この前にウシャスが5000年の孤独を生きようともがく話しをやっちゃってるんですよね……。

せっかくのパールバティ4世がめちゃくちゃかわいい展開なんだけれど、なんか衝撃が薄れてしまうのもったいない。



あと、ここまで描くなら、「パイ」視点の描写がほしかった……。

ここまで読んでから1巻において、パイが八雲の父と出会った場面想像したら、( ;∀;)止まらんよね。





まぁそれでも、

この後八雲が彼女の孤独を理解して受け止めて上げる展開はすごく好き。