なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「2月の勝者 絶対合格の教室」 ドラゴン桜は完全なファンタジーだがこっちはちょっとリアル寄り

ドラゴン桜」はファンタジーだ。

1年勉強すれば東大に合格できる、ということがではない。
底辺校で、たった二人のためにあれだけのスタッフを揃えられるということがファンタジーだ。
あと、言うまでもないけど、あれ絶対1年の描写になってない。2年以上は時間をかけている。
保護者とかの厄介な要素がかなり都合よく機能していたり、物語に不要なものをあちこち捨ててるあたりはラノベ的であるとさえ思う。

だが、悪いことではない。あの割り切りは嫌いではない。
あの漫画に描かれているエッセンスは大きく間違っているわけではない(間違いもある)
ドラゴン桜は、「塾や学校なんかどうでもいいから自分だけは、自分の子供だけは勝たせたい」という人たちの本音を刺激したという意味では実に巧みな作品だった。




それと比べると、この作品は中学校受験の話だが、割とリアルよりだと思う。
ただ、どちらも共通していることが有る。

受験産業に関わる人間は教育者ではなくただの営業マン

塾講師は、教育者ではなく、サービス業ですよ
お金をかけた者が圧倒的に有利。
こんなシステムで成り立っている職業の、どこが教育者ですか?

我々はいわば、指定席券を売る業者です。
なのに、綺麗事を並べててて特急の券を買わせずに

わざわざ生徒を自由席の列に並ばせるおつもりですか?さんざん並んで待たせた挙げ句、席も取れないかもしれないのに?
それなら、お金を払ってくれれば確実に券をお渡しできる業者の方が、客のお望み通りでしょう?

これね。

この部分では共通してる。

多くの、特に受験勉強を経験してない親はこれがわからない。
わからない人たちにそれを売るのだから、営業マンなんだよね。



営業マンとして優秀であるために

ちなみに営業マンっていうと口が上手なだけで中身がないとか思ってるやついるかも知れないけどとんでもない。

優秀であるためには、十分な知識が必要だ。

この漫画は現在の受験情勢をちゃんと抑えているし、

「公立の中高一貫校って首都圏に22校もある。
私立も、伝統名門校ほど高校募集をやめている。
高校から入れたはずの自分の母校が!?って保護者の人多いんじゃない?
今の子達には選択肢が少ない。時代が違うのね。

顧客のニーズを踏まえている。

ちゃんとしたプロの仕事だ。


教育産業は「教育者」というゆるふわな概念に依存してプロ意識がない人が多い。「プロの教育者」は尊敬に値するが、ただの教育者もどきは、プロの「教育産業屋」に負ける

子どもたちの教育について、特におちこぼれの生徒に対しては、中途半端な善意など全く無意味である。
教育について、素人が良かれと思って語るないようなどクソばかりなのだ。

この作品は、そういう「自分が落ちこぼれて苦労したから、子どもたちには苦労させたくない」という気持ちで
とりあえず善意であれこれやろうとするが失敗しまくり、逆に、客のことは金づるとしか思っていない人間が、その子供に成果を上げさせる作品になっている。
この新人教師のキモチはよくわかる。私だって最初はそういう気持ちで教師をやっていた。
でも、それは「子どもたちのためによくない」のだ。

素人や新人教師が、自分の感性で、子供を判断するなどもってのほかだ。
「子供に合わせる」というのはそんなに簡単な話じゃない。

なるほど。生徒のためを思ってやっている、という建前に甘えたぬるい雰囲気がすべての元凶ですね。

そもそもなぜこの子達は、受験に足を踏み入れたのか考えたことはありますか?
親御さんたちは、中学受験を決めた時、もしかしたら
うちの子はあのあこがれの学校に届くかしら?と考えて大金を払い、時間も犠牲にして入塾させた。

基本的に最初は親は受験を甘く見ています。
「塾に入りさえすれば勝手に成績が上がっていく」と甘く考えています。
(だから、子供には志望校高めに設定させたほうが喜びます)

もちろん現実は違う。塾に通うだけでは全く上がらない成績。
なのに増えていく月謝。そしてこれだけ金をつぎ込んで、引くに引けない状況。
それに対して「やっぱりこの子には厳しいですね」などとぬるいことをいう塾の先生。

自分が親だったらどうしますか? 僕なら、そんな塾は転塾させますね。真剣であればあるほどそんな塾に子供を預けられない

残っているのはそんなぬるい雰囲気でも構わない、子供にあったレベルでも構わないと考えているぬるい保護者だけです。

よく、上位校に無理して入ったら苦労するぞみたいなこと言う人いますよね。それ自体はそのとおりです。

でも、子どもたちがそうだからと言って、教える側が妥協してるようなところに誰が行くかって話ですよね。
ライザップや東進衛星予備校は本当に人間的にはクズだけど、それでも結果にコミットすることについて妥協はない。

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まぁ、私は東進衛星予備校が大嫌いなので、あれをぶっ倒してくれる存在を心から求めてるけどね。

でも、今って「教育者」側にプロがおらず、全く子供や保護者を満足箚せられないからこそ
保護者としては「せめて受験だけでも」っていう方向に流れていってるんだよね。
そのことに、学校関係者はいい加減向き合うべきだと思う。
素晴らしい先生はたしかにいたけど、9割はクソでした。

私は入学偏差値60くらいの私立高校で4年働いてその後塾講師もやったけど、学校のほうが塾よりはるかにひどい。

受験業界はたしかにひどい。ブラック企業だし従業員を大切にしない。経営者はみな死んでしまえと思っている。
それでも、従業員を犠牲にしている代わりに、親から法外な料金を取る代わりに、顧客に成果を与えようという部分では頑張ってる。
それに比べたら学校はもっとクソです。非生産的な活動のそびえ立つクソの山です。
働く先生たちを過労で殺し、それでいて生徒たちから莫大な時間を奪って何も与えない。
真剣に働いている先生たちには敬意を表するけど、大半の先生は、私も含めて、子どもたちに悪い見本を示してるだけ。害のほうが大きい。
今の学校教育の制度なんて、一回滅びてしまえばいい。