「漫画貧乏」 出版社との戦いを描いてる部分めっちゃ面白かった
kindle版が無料だったので読んでみた。
「海猿」の連載が始まるまでの間はかなり苦戦続きだったものの、
海猿がいきなり大ヒット。
そこからこの人の戦いが始まったんやな。
最初は小学館とモメる
1998年12月 | ヤングサンデーにて海猿連載開始 |
1999年12月 | 小学館漫画賞ノミネート |
2000年 2月 | 海猿の表現の一部が編集者の独断により削除、その後も度々変更される |
作品の内容について、原稿提出後に無断変更が相次ぎ出版社と対立 | |
2000年10月 | 海猿の連載終了を申し入れる。直後担当編集者が交代 |
新担当者の態度にブチ切れ | |
2001年6月 | 海猿連載終了 |
2002年7月 | 海猿ドラマ1期放送 |
2003年7月 | 海猿ドラマ2期放送 |
2004年6月 | 海猿映画公開 |
2005年2月 | 海猿ドラマ3期放送 |
2006年5月 | 海猿映画第二弾が公開 |
次は講談社とモメる
2002年2月 | モーニングでブラックジャックによろしく連載開始 |
第一話からいきなり無断でセリフ変更 | |
第2話、第3話も変更。第5話は人物の名前まで変更 | |
第9話、無断で監修者の氏名がクレジットに | |
講談社が無断でマスメディア各社に作品の二次利用を許可 | |
2002年12月 | 講談社から、小学館漫画賞ノミネートを辞退するよう指示 |
2003年2月 | 文化庁メディア芸術祭優秀賞受賞 |
2003年4月 | 講談社漫画賞ノミネート辞退 |
2003年6月 | テレビドラマ放映開始 |
2003年6月 | とある団体から抗議を受けるも監修者も編集部も責任を作者に丸投げ |
医療監修者が交代 | |
2004年2月 | 取材責任が編集部にあることを認めさせる |
いったん落ち着くも、著作権管理がガバガバで不信感がピークに達する
2005年9月 | 編集部からわたされた資料が引用許可を取っていなかったことが判明。謝罪 |
2005年12月 | とある団体からまた抗議される。 |
2006年1月 | 編集部が韓国の出版社へ作品の二次利用を無断で許可していたことが判明 |
2006年3月 | 編集部への不信がピークに達し、休載 |
原稿料アップの戦い
2004年10月 | スタッフより賃上げ要求 |
編集部に原稿料UPを要求するも応じず。当時23000円 | |
根拠を元にして27450円を要求するも。単行本の印税を理由に拒否 | |
モーニング連載作家の原稿料平均額が31680円で有ることが判明 | |
2004年10月 | 当時一番ヒットしていたにも関わらずの悪待遇にブチ切れて連載休載 |
2004年12月 | 原稿料33000円へ上げることを条件に連載再開 |
2004年12月 | 連載再開時に必要経費を考慮し原稿料を設定する旨明文化し覚書を交わす |
2005年2月 | 作画スタッフ解散、総入れ替え |
2006年3月 | 編集部への不信がピークに達し、休載 |
出版社移転のための戦い
2006年4月 | 連載再開のため、自費で取材を開始 |
2006年6月 | 単行本1冊分のネームを作成。講談社との連載再開の交渉に入る |
2006年7月 | 講談社との交渉決裂。掲載誌未定のまま原稿製作開始 |
2006年12月 | ビッグコミックスピリッツと契約 |
2007年1月 | 新ブラックジャックによろしくの連載開始 |
この人、性格にはおおいに難ありな人だとは思うけど、
思考はとても合理的だし、自分の作品つくりにたいしてだけはおっそろしく誠実なひとだなと思う。
ちなみにこの出版社とのバトルの部分はあくまでおまけ。
この本のメインは彼が作った自分の出版社と取次の説明。
金額を含めてめちゃくちゃ具体的に書いてて面白い。
漫画貧乏[Kindle版] | ||||
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