なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「アカメが斬る」完  アカメというキャラの微妙な立ち位置が不憫

多分アカメはエロゲだったらめちゃくちゃ感情移入できるキャラだったんだろうけれど、本当にいろんな「都合」から、マンガではなんか中途半端になってしまった感じ。

本編において途中まではただの戦闘要員でしかなかった。むしろ妹のクロメの方が遥かにキャラ立ちしていたのだけれどようやく13巻まできて「主人公」になった。

それもそのはずで、アカメの設定は多すぎてこれを序盤で説明してたら本編が全然進まなくなっていたから説明が今までできなかったのね。ワンピースの過去回想ですら長いと思ってる人が多いのが普通のマンガ読みの感覚。それにたいしてこちらは過去編だけで10巻くらいいきそうなボリューム。こんなん普通にできるわけない。結局アカメとクロメの関係は過去編の「アカメが斬る零」と完全に作品を分けてこちらに設定の描写を任せることにした、と。アカメだけの物語ならこれも本編に入れられたんだろうけれど、この作品はここまでタツミが引っ張る展開だったため、こういう形になったんでしょう。こういう「過去編に異常なボリュームがある作品」の作り方ってまさに「エロゲ的」だと思う。しかし、このせいで本当に本編だけ読んでる人には「アカメ」が背負っているものは「想像する」ことしか出来ない。本編でのキャラ描写もそれほどしっかりしてなかったので、どうしても浮いた感じがするのが残念なところ。なので、できれば過去編読もう。(東京グールの逆パターン)



アカメが乗り越えなければならなかったもの、背負っているものとしては

1 暗殺部隊時代の因縁 (殺してきたものへの贖罪や、見捨てた仲間との関係)

2 暗殺部隊を組織した人間への復讐

3 クロメとの関係の精算

4 ナイトレイドとしての任務を全うすること(特にエスデスとの決着)

となる。このうち1や2の部分は正直本編では設定としてしか語られてないので今ひとつこちらに刺さらない。

また、3も自分の力で成し遂げたわけではない。クロメとアカメだけでは解決できなかった問題を、主人公であるタツミが解決する!だったら定番なのだけれど、この作品のアカメはヒロインではない。なので解決するのはタツミではなく、敵方でクロエと苦楽をともにしたウェイブ。この展開はとても良かったけれど、正直描写が圧縮されすぎてて納得度は低め。

4についても、作劇としてはタツミと協力して、という展開が良かったのだけれどうまいこと整理されてなかった。


アカメは最後まで息抜きラストシーンに至るわけだけれど、「1」の部分がよわすぎるせいでやはりアカメというキャラがツカミきれないためうーん、という部分があると思う。




これに対して、過去編の「アカメが斬る零」でのアカメは非常にキャラが立っていて良かったです。完成した作品として見るならば、両者を合わせて読むのは必須かなと。