なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「アカメが斬る」  職人芸のようなエンタメ特化作品

非常に面白かった。

面白かったけど多分明日にはもう何読んだか忘れてると思う。

そのくらい、印象に残らない作品。

でもすごく面白かったのは嘘じゃない。

いかに続きを楽しみにさせるか、いかに続きを読みたいと思わせるか。

そういう快楽をコントロールする仕掛けがすごいうまい。上手すぎる。


基本は「必殺仕事人」なので、テンプレートみたいな展開の繰り返し。

でも、時代劇ってテンプレの塊だけれど、その蓄積によってものすごく洗練されてるんだなって思った。

とにかく話がコンパクト。2~3回ごとに完結するエピソードに、日常、悪役による日常の破壊、そして成敗、そして人間ドラマ、という山あり谷ありの展開がしっかりとおさめられている。

その上で、この作品は仕事人は「かわいい女の子」だし、しかもどんどんキャラを死なせては新しいキャラを投入して常にキャラクター数を一定に保ちながら新陳代謝させていく。マンネリ化しないためのしかけ作りがほんとにすごい。

さらに、「タツミ」と「エスデス」のように「真の意味で出会ってはいけない敵味方に別れた男女」という類型は、よほど作品がつまらなくならない限りは、読者としては作品から離脱しにくい。 「BASARA」という大傑作を知ってるこちらとしてはなおさらのこと。

全てが計算づくなんだと思う。職人芸としてすごい秀逸。





テンプレって、使い方次第では本当に偉大だなと思う。

私は創作できないから素人目線で勝手なことを言うけれど、テンプレをバカにしてるやつ、特に創作者志望を名乗りながら、こういうテンプレをバカしてオリジナルじゃなきゃだめみたいなこと言ってるやつ、基本的にオナニーしたいだけのバカじゃないかなと。

少なくともそういうことをTwitterで言ってる人に面白いひとを見たこと殆ど無い。

テンプレという型を抑えつつ、それに何を組み合わせるかできっちり面白く飽きない物語は作れるんだなと感心させられました。




ただ、こういう作品ってとにかくリアルタイムでちびちびと読むか、最初から最後まで一気に読むかの二択が良いような気はする。

それ以外の読み方をすると多分ちょうつまらない。

実際、この作品読むの一旦中断して途中から読むと「あれ?これ何の話だったっけ?」とか「こんなに面白くなかったっけ?」って思うはず。

そもそもどういう作品だったっけ?って言われたら恐ろしくシンプルな話しか出来ない。

こういう作品ばっかりだとさすがに食傷気味になるかも。


そんなわけで、すごい作品ではないけれど、私は結構好きです