なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

上野千鶴子や内田樹批判はもう意味がない。それに変わる知識人がいないことが問題

上野千鶴子批判は今更すぎる。この人は今更変わらないんだから、問題は次を考えることだと思う。

https://togetter.com/li/1080097
正直、この記事について、今更上野さんについて失望を表明している人たちの気持ちが私にはよくわかりませんでした。なぜなら、上野さんや内田さんはずっと前から、というか「おひとりさまの老後」という著書を出されたときからずっと同じことを言ってるからです。今までと同じことを言ってきてるのに、特定の表現が引っかかったからといって今更になって騒ぎ立てるのは、すごい違和感が有ります。


これは2010年に両者の間で論争があったときのログです。
http://blog.goo.ne.jp/midorinet002/e/c45d8356afe1f43efd1517ce947f1df2

まずこの記事のやりとりでは、内田樹さんがひどすぎる。知識人という立場を自ら放棄するような傲慢で無責任な態度に絶句させられます。*1


さすがに内田樹さんと比べれば、どちらがマシかと言えば断然上野さんでしょう。とはいえ、同時に、上野さんにしても、内田さんの酷さよりは多少マシという程度で基本的に前提は同じなんですよね。

「これから必要なのは、弱者が自尊感情を保ったまま生きていける手触りの暖かい相互支援、相互扶助の親密なネットワークを構築することだと思います」ということには、わたしも100%賛成である。

これだけだと批判のために都合の良い場所を切り取ったと感じる人も多いと思うので、是非リンク先の文章は全部読んで下さい。でも、この時から(おそらくはずっと前から)今に至るまで、上野千鶴子の主張なんてたいして変わってないわけです。

今の知識人に求めるべきことは何か

本当に困っているのは、上野千鶴子内田樹の意見それ自体ではなく、彼らが未だにもてはやされ、影響力を持てるような状態にあることです。知識人と呼ばれる界隈があまりに脆弱すぎると思われている。メディアも出版社も、何を担いでいいのかわからず、すでにオワコンを通り越してただの老害と化している人を担ぎ続けているというその状況がまずい。

上野千鶴子内田樹の意見がおかしい」っていうのは簡単です。「現状追認をして、自分たちだけ勝ち逃げしたい。」そういう老人たちの保身のようなものはもう思想と呼ぶに値しません。ですが、それ自体が問題なのではないのです。批判するだけなら簡単な腐った考えであっても、それを打ち負かす程度の力を持った意見が他にないってことです。他に何も意見が出ないから、すでに使い物にならなくなっている人たちがのさばり続けてるわけです。

アメリカでトランプが選ばれたってのは、リベラルへのあまりに強い失望、ヒラリーに代表されるエスタブリッシュメントが、下層の人間の切迫した状況に理解を示してくれていないという焦りや嫌悪感が突出して現れたということだと言われています。ここでその真偽を論じるつもりはありませんが、この話は日本にとっても他人事ではない。というか、日本はアメリカよりはるかに深刻な状況でしょう。もはや、思想家や知識人が全く機能しない。この国の先の姿を考えて提言できる力のある人がいないってことですから。そのくらい手詰まりだということを示してしまっている。




上野千鶴子内田樹の意見に今更突っ込むことはむなしすぎて全く興味がなかったのですが、この問題自体は考え続けないといけないかなと。

http://hirokimochizuki.hatenablog.com/entry/ueno.chizuko

難しい現状があるとき、今とは異なる理想を語ることがバカらしく思えたり、冷ややかな目で見られることはよくあることです。もしまだ知識人の役割というものがあるとすれば、そんな冷ややかな目線を軽く跳ね返し、現実的な社会状況とも正しく折り合いをつけながら、理想に近い道がどこにあるかを探り続けることではないかと私は思います。

移民を受け入れることが難しい。ならばどこをどう変えたらその難しさを緩和できるか。社会民主政党が存在せず国家の再分配機能を強化することが難しい。ならばどこをどう変えたらその難しさを緩和できるか。これらの問いに向き合い続けなければ、上野氏と似たような結論から抜け出すことはできません

こういう考えを持っている人たちがいるというのは心強いです。

よくよく考えてみれば、何にもないと言ってるわけではないです。

私はいろんな現状分析をしている本は面白く読んでます。
でも、これからに希望や理想を持てる本、少なくとも今何を考えるべきかを示してくれる本は読んでこなかった。

自分がそういう本を意識すらしてこなかっただけです。自分がそういうことを考えてこなかっただけですよね。

失望はするものの絶望するにはまだ早いかなと。また自分でも色々考えたり調べたりしてみたいものです。

*1:内田樹さんは、とにかく「事実」をただしく認識しようという努力を全くしない人でありつづけた人だと思います。自分の論が先にあって、それに都合の良い用に情報を集めるという「デマこい!」さんと同タイプ。自分の認識を事実と混同し、それについて「べき」論を唱える。そしてその「べき」論が自分の身体感覚、という人だ。身体感覚だより過ぎて、己の認識の正しさを担保する方法が他にない。まぁほんとに文学寄りの人なんですよね。調子がいい時期でもずっと陰謀論をやめられなかった。教育についてだけ語っていればよかったのに社会や経済に関してはずっとズレた発言しかしなかった。なので、その感覚が現実とそれほどずれてない時期は良かったけど、現実と乖離した場所に自分を置き続け、さらに教授職すら引退した後はもう頓珍漢なことしかいわないただの酒場のオヤジと化しました。今でも「ネームバリュー」「ニーズ」があるからといってこういう人を使い続けようとする出版社やメディアはWELQ並に迷惑なのでほんま勘弁して欲しい ttps://togetter.com/li/885412