なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「アド・アストラ」  独裁官ファビウスによる嫌がらせ作戦

第四戦 独裁官クィントゥス・ファビウス・マクシムス

焦土作戦の提唱

日本切腹中国介錯論 - Wikipedia

傭兵と、不忠のガリア人による混成軍であるカルタゴ軍は結束も弱く思いの外脆い。エサがなくなれば散り散りになる。

ハミルカルのときもそうだった。
我々は最後までハミルカルには勝てなかった。
なのにどうして戦争に勝てたのか?
我々はやつとの戦いを放棄し、
海戦に注力し、制海権を掌握したことにより
厄介なあの男をシチリアに閉じ込めることに成功した。
シチリアには物資の支援も届かずもはや戦うべき相手もいない。
戦いの場を失ったハミルカルは、不敗のまま失意の降伏をしたのだ。

剣を交えることだけが戦いではないのだ。
この手ならばハンニバルを倒せる。

とはいえシチリア島と同じようにはできん。だから焦土作戦だ。

図からの手で田畑と村を焼き、堅牢な街へと避難せよ。
従わぬならそれでよし。我々は助けない。
糧秣が減ればやつらはほうぼうに調達部隊を放つことになるだろう。
我々はそいつだけを叩き敵をすり減らす。

皆の者、覚悟を決めよ。今ローマに必要なのは、武力ではなく忍耐力なのだ。

同盟兵よ。恨みはわかるが、私を殺すのはハンニバルの死を見届けてからにせよ。
その時が来れば、ローマの不名誉を全て背負い、快く死んでやろう。

お前たちローマ市民や同盟市民は、
この険しい道程を歩み続ける覚悟はあるのか?
もしみんながファビウスと同じ覚悟を共有できないならば
このローマにはハンニバルに抗うすべはもう……


→これに対し、ハンニバル
 ファビウスの土地にだけは一切手を出さず同盟市のみ攻撃する。



ファビウスは、戦いを避けながら
 ハンニバルを、糧食確保が困難なカンパニア平原に誘導する。




独裁官ファビウスと執政官ミヌキウスの対立

「単純で直情的な主張は、その大声で賢者の囁きをかき消してしまう。達成が困難な良策は、失敗が目に見えた愚策と変わりがないのです」

どれほど優れた理想でも、現実が乖離しているならば、実情にあったベターな策を練るべきです。



③結果 = 夜襲を使ってカンパニア平原からは脱出

確かにハンニバルを追い詰めていた。
しかし、盾だけではやつを倒せない。

戦わずして勝利することを目指した持久戦略は
結局戦わぬまま迎える敗北という結末になった。

これにてファビウスは事実上の失権。



第5戦闘 カレネーゲルニウム間丘陵戦 (VS独裁官ミヌキウス)

前哨戦でミヌキウスにわざと負け、強気にさせた上で都合の良い場所に誘い込む。

セカイというのはただ一つそこに存在する。
だが、みるものによって、その姿は大きく変貌するものだ。

何を見て、何を読み取るか、
ときにそれ一つが戦いの行方を大きく左右する力を持つのだ。
全ての戦術は、観察から始まる。

愚かな敵の嘲笑など気にする必要はない。
お前の価値は私が一番わかっている。それで十分ではないか。


・投石兵により、相手を動きが遅く側面攻撃に弱い盾兵中心の構成にするよう誘導

・窪地に伏兵を配置し、奇襲をかけて追い込む。

・とにかく「戦略で勝つ」だけでは不充分なので
 「普通に戦ったら強い相手を混乱させ機能不全に追い込む」ことを重視する。

なぜ貴族が戦場で馬に乗るかわかるか?もちろんまずは騎兵には経済的余裕が必要だから。装備を揃えたり乗馬訓練を重ねたりいろいろな。だが、裏には褒められん理由がある。窮地の際に、馬に乗っておれば、逃げ切れる可能性が高まるからだ。
だが歩兵達はそうはいけない。歩兵である平民は、退路のない戦場をいくつも生き抜いて、その中で手柄を立ててのし上がっていくしか無いのだ。安全が確保された馬上にいる貴族から頭ごなしに手柄を否定されたら反感を抱くのもムリもない話だろう。
平民の彼を度し難い馬鹿者だと思うのは容易いが、貴族と平民のおかれた立場を抜きに考えてはならんよ。

サラリーマンからしたらアフィカスは度し難い馬鹿者で恥知らずのクズだけれど、逆にアフィカスからしたら私らが騎兵にでも見えてるのかもしれませんね。そんなに楽じゃないんだがな。

平民は貴族を信じない。己の命を救った剣だけを信じ、そうやって上り詰めようとする。

ローマのこの仕組面白いよね。貴族代表を一人、平民代表を一人選ぶ仕組みになってる。


第5.5戦 ローマ内部の切り崩し →新執政官に好戦派の「ヴァロ」が圧倒的支持を得て当選

混迷の世では、煽動家どもが金色の声を響かせ嘘が真実の服を着て街を歩く。

いいか?「平民が貴族におとなしく従え」と言ってるんじゃない。
いい大人が憂さ晴らしに弱い者いじめをするなといいたいだけだ。

かといって民衆が到底受け入れられない正論を振りかざすことが
この国家的危機を乗り越えるための団結を阻害するなら、その正論は間違っているといえるのかもしれない

「日本氏ね」的な発言をするやつも間違っている。ただし、同様にリベラルも間違っている。




ただ、重要なことは「煽動家は民衆の味方ではない」ということ。

所詮民衆なんてものはバカの集まりでしか無い。
小難しい話や自らの身を切らねばならない方策にはてんで耳を貸さない。
たとえそれが正しくてもだ。
単純明快で耳に心地よいものでなくては聞こうとしない。
ファビウスは知恵モノぶっているが、根本的にそれを理解していないという点で痴れ者よ。

ただ、これは民衆は本当にわからないんだね。トランプ当選を見てよくわかりました。
衣食が足りなければ、とりあえず耳に心地良い方に流れる。




おまけ①

ローマの本当の強さ =馬謖を切らず活かす

ローマは無敵の大国などではない。
これまで数多の敗北を積み重ね、その失敗から多くを学び大国となったのです。
カルタゴと違って敗将を生かし、敗北を活かすのがローマの流儀です。
ファビウス殿も、その恩恵を受けているはずです。

敗者から、失敗から学ぶ機会を奪ってはならない。
任務に背いて敗れた人間を救ってやる道理はなくとも
ローマ防衛のため、ローマという国のあり方を守るためにここは助けるべきです。

(失敗すら認めないで強がってるやつまでは知らん)


おまけ②

ピュロスの勝利」=勝っても自分の損害が多くて戦闘を継続する力がなくなっては意味がない。