なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

lostrage incited WIXOSS9話  ようやく前作とのつながりが

Selectorバトルに出口はない。ただ憎悪と憎しみの連鎖が続いていくだけ…… (9話)


selector infected WIXOSS」「selector spread WIXOSS」「selector destructed WIXOSS」シリーズの続編。

前作に関してはこの結末だけ覚えてればとりあえずはいいのかな……。

るう子の願いは『(もともとルリグとして生まれたタマたちを含めて)ルリグになった者たちを全て人間にして欲しい』というものであった。
こうして全てのルリグにされた人間は元に戻り、憎悪に満ちたゲームは終わりを告げた。

今回のタイトルとして「失われた怒り 掻き立てられた」とついてるけどどういう意味だろうか。前作は、主人公の声がキンキン高くてうるさいこと以外は文句なしで面白かったのだけれど今作は今までの所余り盛り上がらない展開が続いていた。

のだけれど、ようやくちょっとだけ楽しみになってきた。






前作までは非常にわかりやすいバトルものだった

なにせ、前作は「勝てば望みが叶う」という要素が先に立っていてみんなが前向きに戦っているところに「実は負けたら消えます」という落差を作ることで緊張感を生み出していた。また、リスクは大きいが勝てば何かしら前向きな展望があるに違いないという期待があった。それに合わせて主人公も実現したいことがあったからゲームのシステムと主人公の動機が一致していた。
周りの人間もみんな勝って望みを叶えたい人間ばかりだから、一つ一つのバトルはお互いの望みをかけた非常にわかりやすいドラマになっておりとても楽しめる作りになっていた。



今作は、バトルと各キャラクターのドラマがうまいこと噛み合ってないように思う

しかし今作は、視聴者からすると「負けたら消える」という部分は変わらず「勝ってもあまり楽しいことにはならないだろう」というのが見えている。マミさんじゃないけど、ゲームに巻き込まれた時点で「みんな消えるしか無いじゃない」という状態である。見どころを作ることが出来ない。


そこで、今作ではそのあたりに対応するためルールに一部変更が行われている。
①90日という期限が区切られていて、それがすぎればゲームクリア。
今回はゲーム参加時点で勝手にいくつかの重要な記憶を奪われた状態でスタートし、一定回数勝てば全ての記憶を取り戻せる。一方負けるたびに記憶が失われる、という設定になっている

という新要素が追加されている。


このルールに合わせて、今回のストーリーは「記憶」をめぐる話になっている。

主人公には子供時代に仲の良い、心の支えになっていた幼馴染がいた。その幼馴染とはある時点で離れ離れになってしまったが、今でも主人公にとって大事な記憶である。だからそれを取り戻し、かつ守り抜かなればならない。



しかし幼馴染側としては、主人公と別れてから、つらい現実に晒され続け、ついにそれに耐えかねて今までの人生をリセットしたいと考えている。今までの記憶もむしろ捨てたい。だから「ギリギリまで負けて、今までの記憶を捨てた上で生きのこる」ことを目指している。


この二人の姿勢は対立的でそれなりに面白い。


しかしこれがゲームのシステムと噛み合わない。つまり、「バトル」に、この二人の精神的対立がうまいこと乗っからないのである。



これは主人公と幼馴染というダブル主人公に限った話ではない。他のキャラクターでも同じで、「バトルする動機」があまりないのである。「いざバトルすることになったら負けたくない」から頑張るが、そもそも勝てる確証がなければ「バトルをしたい」と思わせる要素が弱い。あまりにデメリットが大きすぎる割に、メリットが弱すぎる。前作のように切実な願いを持っている人物は殆ど出てこない。ひたすら「守り」の方向ばかりが目立つ。

とにかく「勝負して勝つ」ということ自体、ネガティブに描きすぎ……。普通にWIXROSS自体はゲーム性が高くて面白いゲームなのに……。



「バトルする動機」が薄い状況で、「バトル斡旋屋」なるものまで登場して無理やりバトルさせる物語ってなんだ……

この「バトルの動機が薄い」というのは私の感想だけではなく作品内でもきっちり認知されているらしく、
わざわざ「バトル斡旋屋」が登場して、色んな人に強制的にバトルをさせる、という描写が出て来る。


なんかもう、株式投資とかそれに近いレベルである。


なんでこんなことになってしまったんだ……




それはともかくとして、前作とのつながりがようやく示されて、ここから面白くなるかもしれない

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まぁそもそもとして、前作に出てきていたルリグがちらほら存在したので、
時系列的につながっているのは分かっていたのだけれど。

前作からどのくらいの期間が空いていたのかとか、
この人は前作に於いて○○のルリグだったのだ、とかそういうのがわかったのは大きい。
(もううろ覚えなんだけどね……



というわけで、前作を見返してみたら面白くなるかもしれない。