なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「テラモリ」  <動機レスな若者>をジワジワと仕事に染めていく展開すごく好き!

「マンガワン」アプリ女性向け部門1位。

私は主に「丸善ジュンク堂書店」という一般人向けの書店と
「なんばワンダーランド」というオタク向けのマンガショプの2店で
新刊チェックをしているのだけれど

これは前者でプッシュされるタイプの作品ですね。

 

ストーリーは極めてオーソドックス。
女の子が「テーラー森」というお店(紳士服中心の洋服屋)でバイトしながら成長していくという展開です。

特徴的なのは、主人公である女の子。

 

・二次元好きの、オタク
・他人と話すのは苦手。接客なんて考えたくもない。できれば引きこもってたい
・仕事もしたくない。
・洋服にもそれほど興味がない。
・お金が入り用で、時給が高いからたまたま選んだだけ
・受け身だけど、不満があるときははっきり表明する

 

というわけで、普通に考えればおよそ仕事に向いてない。向いてないというのは性格的な面もありますが、それ以上に「その仕事をする前向きな動機が全くない」という点がでかい。

 

実際にやってみると、テーラーでの仕事はハードだし、結局やりたくないと思っていた接客もやるように求められます。で、その一つ一つに主人公が「ギャー」とか「ひえー」という感じのリアクションしてくれるので、読んでるコチラとしてはあまり不満を溜め込まずに進めます。

 

最近のクソはてなブロガーのように、優しくない職場に当たると、職場では黙っておいて、ネットで「ブラックだ」「不条理だ」と騒いて、はてブやいいねをもらいたがる人だったら速攻でやる気を無くして、文句を言いながら退散していくでしょう。そういうのでないのが良い。

 

この作品の場合、「優しい先輩や同僚によるフォロー」と「厳しい先輩による試練」が両輪になって主人公はいろんなところでちょっとずつプラスの経験を積んでいくことになります。読みながらそうだよね。「両方」が必要だよね、って感じます。

 

また、主人公が少し成長して自分のことばかりだけでなく、先輩のことも見れるようになると先輩たちが今までどういう苦労をしてきたのか、とかどういう気持で自分に接しているのか、なんて所も分かってきます。これもやはり、そうだよね。自分が理解されたいというなら、自分は先輩方のこと少しでも理解しようとしたのか?って跳ね返ってくるよね。最初は仕事覚えるのでいっぱいいっぱいだからそんな余裕ないけど、それならなおさら新人の分際で、自分の視点ばかりで考えて、やれ正しい間違ってるってわかったつもりになってて本当にいいの?って話になってくる。

 

こういう仕事をやってたら通る道を結構しっかり描いてくれてるのが良いなあと思います。

 

他にもテーラーに関する豆知識みたいなのがわかるのが楽しいです。接客業って割りとイメージで語られることが多いと思うけれど、ちゃんと具体的な内情も描いた上で、それをエンタメににしてくれたり、働こうと思ってる人の参考になるようなことを描いてくれてるのがすごくいいなと思います。


ネットって割りとそういう部分が必要だともうんだけど、はてなブログ使ってるとろくに仕事もやってないし、たいして仕事出来なそうな人が、知ったような口で仕事に対してネガティブなことを言って、また動機レスなガキがそれに同調してブクマ付けてホッテントリに上がってくる、みたいな悪循環がちらほら見られる。あれ死ぬほど残念だと思ってて基本的にそういうブログは一度見たら即はてなNGに入れるんだけれど、次から次へと湧いてくるよね。

なんか、そういう人に対して、ガキとかウィンプとかそれで世の中わかったつもりかつまらんやつらだなとか言うのは簡単なんだけれど、そうじゃなくて、「読んで楽しめて」それでいて「仕事も悪くないな」と思わせるような作品がもっとあるといいなあと思ったりするのです。

 

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他にも。「アルト」とか。

そばもんとかリアルクローズとかサルト・フィニートとか。

職場モノや職人モノのマンガは大好きです。