なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

「お前、理不尽との向き合い方はいろいろあるのに自分のやり方が一番賢いと思ってるだろ」

人類滅亡?地球が滅ぶ?大歓迎だ。だけどな。それは僕がやる。誰かに譲る気はない

「同じ悲劇だとしても、自分の周囲の悲劇と地球の裏側の悲劇が等価のはずがない」


「僕は知っているだけだ。
 この世界が理不尽なことを。
 ずっと前から知っている。だから何も思わないだけだ」

「正直……心の底から同意したい意見だけどね。
 この世界はそんなひどいことばかりじゃない
 ……とキミにいうのが私の役目なんだ
 そんなキミにだからこそ、私は逃げてほしいと願うんだ。
 きみはもっと自由になっていい。縛られなくたっていい。
 理不尽との向き合い方も、まだ結論を出す必要はない。」




主人公は、すべてにおいて見て見ぬふりをする。
極限まで痛覚を鈍くさせて、何にも関心を持たないことで何とか現実をやり過ごす。

当然、いざ世界の終わりが近づいても、何も思わない。
賢しらに世界について悟ったようなふりをして、理屈ばかりこねて何もしない。
もちろん、普通はこれでは生きていけないが、
裕福な家のおかげで、そうやって何もしなくても生きていける。
贅沢なマンションで、脳内で作り出した二次元嫁と一緒にただ怠惰に暮らすだけ。

一応こうなったきっかけやトラウマはあるらしく
そこそこ悲惨な過去が語られる。
ただ、正直「お話」としてはありきたりだ。

 

そう。
どれだけ長く語ろうが「他人から見れば」己の不幸など
せいぜいマンガ30ページから60ページで終わるようなものだ。
不幸な過去はいくら語ろうが他人と共有できるわけもない。
はてなブログでピピピピがいくら全力で己の過去のトラウマを語ろうが、
はてブでは文章をほめたり、一言壮絶ですねって言ってくれる程度だ。
そもそもたいていの人間は「長すぎて読めない。そこまでお前に興味がない」で終わりだ。
己の不幸を後生大事に抱えていてもそこに救いなど来ない。
ぶちまけたところで、消費されて終わりだ。そういうやり方では何一つ変わらない。
ピピピピは、たとえ誠実に書いているつもりであろうが、世間には炎上大好き愉快犯としてとらえられて終わりである。わかっててやってるのだろうがわかってないなら彼はただのアホだ。


主人公はここまでよくわかっている。
わかっているがそれでも後生大事にその不幸を抱え続けた。
不幸というものをずっと放置して発酵させた結果、
最後に残ったのは絶望と、後はイナスの意志だけだ。
一言でいえば悪意か。
救いがないだけならまだましだ。
救われないことは他者への悪意になり、進んで害をなすようになる。
主人公はそうならないように無気力という殻をかぶって自分を抑え込んでいるわけだ。



そんな主人公を動かしたきっかけは「できそこないの悪意」だ。

主人公は、世界を憎んでいる。
壊れてしまっても一向にかまわないと思っている。
だけれど、できそこないのやつに、自分の生活を壊されるのは我慢できない。
どうせ壊れるなら、己が磨き上げてきた悪意をぶつけて表現してみんなに知らしめたい。


そんな感じらしい。



ふーむ。

「ブラックパレード」かと思ったけど、
魔法少女育成計画」とか「惑星のさみだれ」的な話になるんかな。

この世界は、だれも気付かれなかった悲劇がごまんとあふれてる。
それは世界の終りの日だとしても例外じゃない。
すべての出来事は、当事者にしかわからない、個人的なエピソードなんだよ