なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

とりあえず「学力と階層」を読んで欲しい

[東大の合格者の統計を調べていて、「無理な努力はするもんじゃない」と思った話 - かくいう私も青二才でね

いやこの記事ほんとにクソなんだけれど、

いくら何でもボコボコにされすぎてるし、その割には

誰もどこがどう間違っているのかとか、

どういう風にデータを見ればよかったとか、そいういう点を指摘してあげないのがかわいそうになってきた。


fuji_haruka そんなに叩くような記事かな…統計の使い方は下手だけど、文化資本の地域差ってのはわりと明らかだと思ってた。

せやろか……。 むしろ親の年収や職業など、文化資本の話はちゃんとできてませんよね……。

まぁ感覚でわかる部分は間違ってないんですが、やはり間違いはありますし、何より「データを持ち出しているにもかかわらず」間違っているところが問題なんだと思いますね。こういうのは疑似科学と同じで、「科学っぽい」「統計っぽい」ものを出して説得力を高めようとしている記事は、精査しない人がついつい信じてしまいがちなのでそれだけ厳しくチェックされることになるということでしょう。データを持ち出さずに思い付きで語ってるだけならここまでフルボッコになることはなかったかもしれません。


主張内容の点検


別の場所で本人に直接説明した内容ですが、もう少し詳細に説明します。


①合格上位校は東京が多い →「近いから」という理由だけでなく東京にいないと受けられない情報や教育体制があるはずだ

東京にいることが圧倒的有利なんです!!努力して東大に届くようなサポートが充実してるのは東京の学校ぐらいなんです。東大ではないけどAO入試をサポートする塾みたいなものはだいたい東京にあるんです。だから、東京にいる時点で受験に有利な情報・教育は仕入れやすいわけです。

青二才さんは、あまり塾などに通って大学受験をされていなかったからこういう勘違いをされているのかもしれません。AO入試に関しては関東のほうが充実しているという指摘は誤りではないと思います。




②地方の学校は頑張っても3分の1くらいしか東大に受からない →やっぱり東京が最強!

田舎に住んでるほど授業・宿題が厳しかったり、努力すればどうにかなるかのように言ってきますが…正直言ってどうにもならないんです!!

「東大以外でもいい学校・晴々しい経歴はいくらでもあるでしょ!」とか言われそうだけど…殆どの東大輩出校は学生の3分の1も東大にいかせてないから、地方民が努力して行くような学校にも、都心とか名門私学の生徒が流れこむわけです…。

うーん。そもそも何を言っているのかよくわからないのですが……。おそらく東大に行ける人間ならみんな東大を目指すに決まっている=東大合格者数がその学校の実力であるという前提があるのではないでしょうか。

本人はいろんな人から証言を取ったといっていますが、この勘違いは、本人が東京で受験をしており

東京出身者からしか話を聞いていないから発生してしまったのだと思います。長谷川豊さんが医療についてむちゃくちゃな主張をして、その際に「俺は現場を知っている、いろんな医者から話を聞いた」という話をしていましたが、この手の「俺は現場の人間から話を聞いた」ロジックは、その現場以外に通用するとは限らない、というのはとても重要なので覚えておきましょう




③受験はサバイバルだ。周りを蹴落とさないと生き残れない→いい学校に行ったら負けるからいってはいけない

結局どこに行こうが、より良い教育を受けた人とぶつかる結果にしかならないから、無理していい学校に行っちゃいけない!!

正直何を言ってるのかよくわかりません。大学受験に関していえば、合格基準さえ満たせばいいので、むしろ上位校にいって、レベルが高い人間と切磋琢磨するのは悪いことではないのでは。自分で努力できる人は費用対効果の面でわざわざ行く必要がない、というのであればわかります。




このあたりからは下調べもなく主観だらけの雑な内容になっていると感じます。




④受験はそもそもフェアじゃない。東京の人が勝つ、男の人が勝つ →地方民は不利

地方に住んでいる人はもっとそのことを真剣に考えて「東京の人が勝つ勝負」「男の人が有利な勝負」に参戦することをもっと慎重に考えた方がいいよ。やるなとは言わないよ?だけど、平等でフェアで努力すれば誰でもできる勝負みたいにいう人の言い分を鵜呑みにするのはとても危ない

その理屈なら、青二才さんは東京の人だし男なのでむしろ本人は東大を目指せばよかったのではないでしょうか……

現在ブログで勝負されている青二才さんとしては、「フェアじゃなくて歪みがあって、普通に勝負したら勝てない人でも一点集中すれば勝てる隙間フィールドを探せ」という方が正しいのではないでしょうか。




⑤有名私立中高一貫校がトップ10独占→中学受験で勝利できなかった人間には望みはない

夢のないことを言えば、上位校の大半は中高一貫であり、特に毎年のようにコンスタントに東大生を輩出する上位校は…中高一貫がほとんど。2015年にいたってはトップ10を独占。そんなに遅れた所から受験し始めて、東大に合格できるのは都内在住者だけだからね?そして、受験自体が持つ情報やサポートの格差で他の上位校も基本的、東京有利だからね?

「現役合格者が7割! 現役合格しなければ望みはない」くらいデータの読み方を間違っているというか。この人は受験というものを根本的に勘違いしているような気がします。というか、まず「トップ10の中高一貫校に合格する難易度」よりも「東大に合格する難易度」のほうが高いというのが勘違いなんですよね……。東大受験について全く具体的なイメージを持っていないからどんどん空想で話が外れていく……。

ちなみに、東大合格者にしめる中高一貫校の割合は55%、さらにここ10年間で年々増加しており、中高一貫校が有利であることは事実です。特に現役合格を目指す場合は圧倒的に優位であるといえます。

しかし逆に言えば45%は中高一貫ではないし、ここ3年の数字を見るとむしろ公立高校が盛り返してきています。
http://toyokeizai.net/articles/-/139469

「学校」と「塾」の関係も考慮に入れなくてはまともな話はできないのではないでしょうか。




⑥東大合格する人は特別な存在で俺たちとは違うんだ

そんなことできるやつははじめから成績いいですから!!現実にはデキる子は勝手に伸びていく。どうがんばってもデキる子ほどにはなれない。もしなれたとして、その子についていくしんどさがずっと付きまとう。

これ青二才さんだけじゃなく結構多くの人が勘違いしてると思うけど、別に東大生ってそんな特別な存在じゃないよ。もちろん意識すべき点はあるけれど、こういう認識でそもそも努力自体無駄、みたいにとらえたり、主張するのは全く統計を無視していると言わざるを得ないです。





⑦自分は統計をちゃんと見れている。ほかの人は見れていない

地元のニュータウンの教育ママも、自称進学校の先生も「がんばればどうにかなる」みたいに言っとるけど、あの人達はインターネットなんかない時代の人達だから統計的に世の中がどうなってるのかをきちっと見渡したことがないの!

うーん。青二才さんのお母さんや学校がどうだったかは知らないですが、一般化するのはやめたほうがいいかなと。

中途半端に統計を見てわかったつもりになるのはかえってよくないと思いますよ……。

青二才さんは、普通の人よりすこし勉強熱心でその点はよいと思うのですが、中途半端に調べて、中途御半端に理解して、それで十分だと思ってしまう悪癖がほんとに昔からずっと治らないですよね。

せっかく突っ込んでくれる人がいるのだから、その人の話はちゃんと聞いたほうがいいですよ。




本当はちゃんと1つ1つデータをもってきて説明してあげたかったんだけれど、面倒くさすぎたので途中で分投げました。ごめんね。

何で平均値から個別値推測できると考えるか、まるで理解出来ん。因果関係逆だろ


というか、青二才さんには以前から教育についての話するなら最低でもこの本読んで、って言ってるんだけど

まったく読まずに思い付きででたらめばっかり書くのやめられないんだよね。

さすがにここまでくると、ほんとにもう教育に関しては黙ってたほうがいいですよとしかアドバイスできない。




苅谷剛彦『学力と階層 教育の綻びをどう修正するか』 - あとあとのためのメモ集

終盤で青二才さんが提言してることって、この「学力と階層」で示してる、「やっちゃダメな方向」なんだよね。

まぁ青二才さん個人が自己責任でサバイブするための戦略としてそれを選ぶならそれもいいけど、頼むからそういうのをまともな提言だと思わないでほしい。