なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

過剰な賞賛が並んでいるものというのが苦手

小田嶋隆さんが長谷川豊さんについて書いた文章がバズっとるね。




この人は以前から

前置きが長い冗長な語りと、テーマによる記事の質のブレはあって好き嫌いはわかれる人だが、

そりゃずっとコラム書き続けてたら得手不得手によるブレが出るのは当たり前だし

書きにくいテーマにも結構突っ込んでいくから、その時にかなり前置きが必要になったり、

結局あまりすっきりしない、切れ味が悪いところに着地することは結構多い。


そういうの含めて私は結構この人のこと好きだ。

むしろ、そういう「自分が語り切れないところを認める」「言い切ってはいけないところを言い切らない」ところが好きだといえる。

ノロノロとした展開で話を進め「自分はここまで行きました。これ以上はちょっとやめときます」ということがちゃんと言える。

売文家として、無責任に過激なことを言ったり、白黒はっきりつけるような言い分の人が目立つなかで、

私はこの一見どんくさい亀のようでいて、それでいて自分の意見をしっかり述べながらも

着実に何年も日経ビジネスオンラインで存在感を保っているところが本当にすごいと思う。






ブレがあるとは言ってもスタンスや主張は一貫しており、

①本音至上主義批判


②ポエム(でやってはいけないものをポエム化してしまうこと)批判
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20110630/221207/



③安部ちゃん大嫌い(ウヨサヨというよりは、所与の権利をイデオロギーで踏みにじる行為が嫌いな感じ)
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/090800060/



のあたりは繰り返し主張していて、そこは一貫してると思う。



だから、今回の長谷川豊に関しては、かなり初期の段階で

私は小田嶋さんの記事を引用しながら感想書いてたし、小田嶋さん自身もなんか書くだろなと思ってた。

長谷川豊のふるまいは、小田嶋隆が今まで嫌い続けてきたものをすべて凝縮して結晶化したようなものだからだ。








なので、個人的にはいつもの小田嶋さんの文章だな、と感じてる。

まぁいつもなら、長谷川豊の自己陶酔的なポエム芸にも皮肉の一つも行っただろうけれど、

皮肉抜きで論理的に真正面から殴りに行ってるな、遊びがない張り詰めた印象があるな、と。






しかし、はてブの感想が気持ち悪い。

なんかしらんけど、絶賛気味なのだ。

「いつもの小田嶋は駄目だけど今回はいい文章だな」みたいな感想もちらほらあった。




とにかく、今回の長谷川豊の件で思ったのがはてブ

「自分が書いてほしいこと書いてるから素晴らしい記事」みたいなコメントしてる人が多い気がする。

この人たち、文章をどう評価してるんだろうか。

「自分が思ってることをズバッと代弁してくれる文章が良い文章」だと思ってるんじゃないのだろうか。

何を言いたいかというと、

「そういうことはないと思いたいのだが、この人たちは、長谷川豊が自分たちに都合のよい主張をしていたら、やっぱりいい文章だなって言うんじゃないだろうか??」

と感じてしまうという不安があるということだ。





本当はここから、なぜそう思ったのかを説明すべきなんだろうけれど、正直よくわからないです。

100字しかないコメントで人がどこまで考えているかを勝手に推測するのは無理がある。

ブコメしてる人たちがどういう背景を持ってる人かもわからない。

当然、その人たちがどういう思考過程を経てそのコメント書いているのかもわからない。

ただ、何事においても過剰な賞賛が並んでいるところを見ると、すごく気持ち悪くなってしまうというだけ。

とりあえず今回はメモ程度に。