なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

インデックス⇒セガサミー 事業譲渡と経営譲渡の違いについて

経営譲渡と事業譲渡の区別がつかないと「なぜセガセミーが日経記事について訂正のリリースを出したのか」が分からないと思ったので調べてみた。


といっても理屈は簡単でした。「4gamer」による解説を引用します。

日本経済新聞で伝えられていたような経営譲渡といった会社ぐるみでの買収ではなく,事業単位の買収となる。譲受けの対象となるのは,下記リリースにあるとおりで,インデックスのネット&ゲーム事業部分であると思われる。同社の映像事業については含まれないか,あるいはアミューズメント開発の一環として含まれているのか現時点では判然としない。
なお,譲受けは事業のみであって,負債は原則として含まれない

http://www.4gamer.net/games/999/G999905/20130918066/

(2) 譲受け資産、負債の項目
上記譲受け事業に関連した有形固定資産、無形固定資産及び知的財産(譲受け資産には、 Index Digital Media,Inc,の親会社である Atlus Holding, Inc.、Tiger Mob Limited.、Index Corp (Thailand) Ltd. 、Mobi Town Ltd.の株式も含まれます)。なお、有利子負債を含む負債については原則承継いたしません。

平成 25 年 11 月 1 日:事業譲受期日(予定)

http://www.segasammy.co.jp/japanese/ir/what/whatsnew.do?recid=2270

とりあえずここまでで充分。あとは補足。

事業再編に関しては複数のオプションがある。今回は事業譲渡。

「組織変更・吸収合併・吸収分割・新設分割・株式交換・株式移転・事業譲渡」がある。
日経の言っていた「経営譲渡(株式譲渡)」だと、「吸収合併(による子会社化)」あるいはその先の「株式移転(完全子会社化)」のことになってしまうので、セガサミーがけん制のプレスリリースをするのは正しい。
 

経営譲渡ではないので、必要な資産のみ譲り受け、負債は引き継がない

営業譲渡(事業譲渡)とは、会社ごと売買するのではなく、会社の中身のうち、必要な事業に関連する資産・負債のみを売買するM&Aの手法のこと。売り手企業 (売却企業) のオーナーは、譲渡した事業に対する支配権を完全に失う。店舗や工場といった土地建物などの有形固定資産や売掛金・在庫などの流動資産だけでなく、営業権 (のれん) や人材、ノウハウといった無形資産も譲渡対象となるため、買い手企業 (買収企業) は必要な資産のみを譲り受けることができる。売り手企業は、同一市町村内では同一営業を再開することができなくなるという法律 (会社法) 上の制約 (競業避止義務) を受ける。また買い手企業にとっては、契約で引き継ぐと謳われている債務以外は、原則として引き継ぐ必要がないため、簿外債務などが発覚しても負担する必要はない

個人間では「営業譲渡」(商法)、会社間では「事業譲渡」(会社法)という言葉を使う。

詳しくはWikipediaの「事業譲渡」を参照。

事業譲渡によりインデックスは消滅しない。

事業譲渡の場合、セガサミーは借金を引き継がない=インデックスがセガへの事業譲渡額をもとにして借金を返すことになるのが基本だが…

B会社が返済しなくてもいいというか、会社法22条、23条の譲受会社としての責任は生じないということですね。A会社が消えてなくなるわけではないので、A会社より回収します。A会社に資産がなければ、A会社を破産手続により清算して終わりです。

ただ、A会社はB会社に営業を譲渡をしたのですから、B会社からA会社に対価としての代金が支払われているはずです。ですから、全く回収できないということはないでしょう。このA会社からB会社への営業譲渡の対価の額が不当に安い場合は、破産手続きなどを通し、B会社へ請求することも可能です

http://www.adire.jp/corporation/how3.html

インデックスは民事再生手続き中。セガが再建スポンサーになり、事業譲渡以外でもサポートがある様子

http://www.bloomberg.co.jp/bb/newsarchive/MTAUXH6TTDSG01.html

譲渡額は140億円程度となったもよう(※不確実情報)
負債総額は5月末時点で約245億円に上る。(※確定情報)

スポンサーにはセガサミーをはじめ約20社が関心を示していた。選定に伴いインデックスは、「事業譲渡を確実に実施の上、引き続き全社一丸となり再生手続きに取り組んでいく」とのコメントを発表した。

というか、サポートがないと多分事業譲渡後の資産で再生は不可能だと思われ。




とりあえずこのくらいかな。以上踏まえたうえで日経の記事からの流れを確認すると面白いですよ。




ちなみに事業引き継ぎなしにインデックスが倒産していたら、下手したらメガテンの続編は永久に出なかった可能性がある*1

このニュースについて、「ありがとうインデックス!ありがとう!」って言ってる人がいた。借金を返すためだったのかもしれないけれど、この判断をしてくれたことに、一人のアトラスファンとして、私からも感謝したい。




・日経による発表
http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD1801E_Y3A910C1000000/

・日経報道に対するセガサミーのリリース
http://www.segasammy.co.jp/japanese/ir/what/whatsnew.do?recid=2270

セガサミーによる正式な事業譲渡についてのリリース
http://www.segasammy.co.jp/japanese/pdf/release/20130918_index_j_final.pdf







11月1日追記

http://www.famitsu.com/news/201311/01042571.html

Oh・・・。

アトラスだけかと思ったら、インデックス全体だったのか

なるほど、「セガ+ドリーム」という幾分危険な社名は、事業譲り受けとともに変更前提だったのか

*1:権利関係がややこしくなるんです。「それは舞い散る桜のように 権利」とかで検索してもらうと面白いかもしれないし、無数の事例がありますよ