なろう原作マンガの感想など

歴史漫画のまとめを作るはずだったのに、いつのまにかなろう原作マンガの感想ばっかりになってしまった

ヴァルヴレイヴ11話

今期アニメはとにかくヴァルヴレイヴが楽しい。
ヴァルヴレイヴは「総統閣下のお怒り」見るまでが1話だと思う今日このごろ。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21183102



このアニメ、ネタとしてだけでなく、先の展開を好き勝手に予想するのが楽しいです。
こんなに先を予測するのが楽しみなアニメは「AngelBeats!」と「まどマギ」以来です。
どうせどう予測してもそれを裏切る予想外の展開になってくれるので、
こっちも気楽に見たいところだけ見て、好き勝手に適当に想像できる。
これは「AngelBeats!」同様、リアルタイムでみないとまったく意味ない作品(リアルタイム以外でまとめて観ようとみたら、多分耐えられない)だと思うんで、興味ある人は今からでも追いついて是非見て欲しいです。


さて11話。盛り上がってまいりました。

ありえない戦闘を始めとして物語の展開は相変わらず突っ込みどころ多数ではありますが、
サキとショーコの力関係という1点で見ると、良い感じでバランスがとれてきたとおもいます。
ギャルゲー好きとしてはいろいろとワクワクする展開になってきました。

ハルトとこの二人のヒロインとの関係だけを考えると
ホワイトアルバム2」とか「バルドスカイ」とか思い出して2828が止まりません。

ショーコとハルトの別離

これショーコとハルトの道が分かたれるって展開だと思うんですよね。

多分今まで自覚持たず考えなし楽天的に奔放に影響力及ぼしてきたショーコが
「政治家」として覚悟を持ち、覚醒するというシーンのつもりなんじゃないかな。

とりあえず、政治家になる選択をするというのがポイントで、
つまりヴァルヴレイヴに乗らない。ハルトと同じ道を歩まない。

その代わりに、ショーコは政治家としてLLFさんの指導のもと
政治家として立派に務めを果たすことになるんでしょう。
今までマジキチ振りを発揮してきただけに、
責務を自覚した彼女は次回から人が変わったようにまともになってしまうんじゃないかと。

ハルトはその支えになることも、そばにいることも出来ない。
彼女の助けになれるのはLLFさん。そばにいるのもLLFさん。
もちろんLLFさんにとって大事なのはルリルリであって
ショーコのことは駒程度に考えているだろうが
それでも、ショーコが必要とするのはLLFということになる。


ハルトはショーコのことを思いながらも、
サキとの関係のやましさもあってだんだん心が離れていきそう。
ショーコはショーコで、ハルトのことを思いながらも、
自分の責務を意識して、ハルトに告白したり、心を預けたりはできない。
もう、元のような二人には戻れない。




こうなるとやってられないのがサキだ。
サキははずみとはいえセックスまでしたということもあって
責任を取らせる形でハルトを手に入れるものの
この先、ハルトの心が自分ではなくショーコに向いているのを
ふたりぼっちの状況で、一番近い距離で、見せつけられることに。

サキは演出の問題でアホのコのように見えるけれど
もともと深刻な孤独を抱えており、精神が不安定な女性である。
*1
他者に心を開くことを怖がり、自分のためなら他者を犠牲にすることも厭わない。
その彼女が心の支えであった唯一無二の親友を失い、
その変わりとして求めた伴侶としてのハルトまで失いそうになる。
いや、最初から手に入れてなどいなかったと気付かされるとどうなるか…。
これなんてホワイトアルバム2。なんでサキさんヤンデレ化してまうのん?




ヤンデレ寸前の状態でハルトがサキをどう扱うかで歴史が変わったりするだろう。


①ハルトが対処を誤れば、ショーコとLLFによる共同戦線による順調な計画に対して
何らかの障害やエラーを引き起こすことになりそうな気がする。
もしLLFの計画が邪悪なものであれば、それは物語全体としてはプラスになる。



②ハルトがやはりサキを受け入れるという選択をしたならば、
とりあえずサキルートということになり
ショーコとは来世の、運命の果てる場所で結ばれましょう的な展開になりそう。
こうなると「バルドスカイ」ですね。




とかまぁ、こんなかんじで毎回先の展開を妄想するのが楽しいです。
どうせ12話になったらまた違った展開になってくるんでしょうが、
それならそれでまた新しく先の展開を予測し直す。これが楽しくて仕方ない。






そんなことより今回の見所はショーコの幻想がそげぶされまくるシーン

まぁ先の展開が楽しみになったというのも11話の良いところなんですが、それよりも、ショーコの人格の根幹が徹底的に破壊されていくところが、私にはものすごいカタルシス感じました。ゲスい楽しみかもしれないけれど、私ショーコみたいなメンタリティの人嫌いなんですよ。


最近「モズグス」様メンタリティという言葉がはてなで話題になっていたが、似たたぐいのものとして「なるたま」的メンタリティというものがあると思っていて、私はショーコにもこれに通じるものがあると思っている。

成田真一郎は私にとっての天敵だ。あれは自分を特別だと思っている。逸脱を好み、平気で他人を侵犯する。そのことで痛い目を見たことも一度や二度ではないだろうに、それでも…

 数度の成功は甘い罠に過ぎない。ギャンブルと同じ、結局収支で言えば負けが込む。だから私は、成田真一郎(なるたまいちろう)が大嫌いなの。
 …名前を聞いた時から気に入らなかったのよ。まず名字。初見のひとならまず間違いなく「なりた」と読む。しかしそれは否定される。そして以降、変な名字として記憶される。さらに名前…これも同じく、普通は「しんいちろう」と読む。しかしそうは読ませない。「まいちろう」と変な読み方をさせる。つまり成田君の親は変な読み方をする家名に生まれながら、子供に変な読み方の名前をつけるメンタリティの持ち主であり、「成田真一郎」はそういう親に育てられた。そして、小さな頃から、名乗る度に「変わった読み方ですね」と言われてきた。それはいちいち会話のきっかけになっただろうし、なまじ字面が普通なだけに、読み仮名の奇妙さは相手の記憶に残ったでしょう。
 そんな理由で、わたしは想像した。あの人はきっと、物心付く前から、自分が変---言葉をかえれば特別だという感覚を無意識に刷り込まれている。自分は変なものだから、人に関心を持たれ、影響を与えられることを当然だ、当たり前だと思う、図々しい自意識の持ち主だってね。わたしじゃなくたって、そんな人とかかわり合いになりたくはないでしょう?

 そして、実際に会話してみて確信した。…アレは私の想像の斜め上を行っていた。あのバカはもう、自分が特別ではないことを自覚していた。思い知っていた。多分これまで生きてきて、なんども自分の無力さを味わったんでしょうね。自分を特別だと思っている人ほど、そういう機会は多い。だから彼は知っている。闇雲に賭けたところで負けが勝つのは知っている。
 でもそれなのに行動に我慢が利かない。人一倍、失敗する痛みを知っているのに、恐れているのに、自分が動くことで良い結果を得られる「かもしれない」と思えば、自制できない。時折得られる幸福な結果は、それだけ彼にとって魅力的なものなんでしょうけど、結局は失敗ばかりして傷ついていく。
 --ほとんど病気よ。見ていられない。
子ひつじは迷わない P217)

 「攻殻機動隊2ndGIG」の合田一人(かずんと)や、あるいは自分の通称を「青二才」とか名付けるバカでも代替可能だが、こういった人物がもつ「なるたま的メンタリティ」が嫌いなのである。そして、私は指南ショーコにこれとまったく同じメンタリティを感じていた。

 なるたま的メンタリティは「LV1 人に関心を持たれ、影響を与えられることを当然だ、当たり前だと思う、図々しい自意識」の段階を経て、「LV2 自分が特別ではないことを自覚してなお、自分が動くことで良い結果を得られる「かもしれない」と思えば、自制できない行動中毒者」に至る。さらにここから、本当に相手のためなるのか、とか自分でリスクを取れるか、いうことを真剣に考える部分が摩耗してしまうと「LV3」以降の展開もありうるだろう。特に自分より立場が弱いもの相手に「なるたま的メンタリティ」を振りかざすと、それこそモズグス様メンタリティに接近し、ハラスメントを連発することになるだろう。

 
 10話まではショーコの行為は結果として受け入れられ、状況を好転させてきた。あまりに脳天気でリスクとか状況無視の発言が多く、何も考えずに自分がやりたいことをやるぞ~という欲張りキング的な側面ばかりがクローズアップされていた。彼女は自分の特別さに自覚がないうえに、人にどんどん踏み込んでいって思い通りに影響をあたえるのを当然と思っている節があった。人の善意を信じ、それに呼びかける以外のやり方をしらないような幼稚さというか過剰な楽天家ぶりを見せつけていた。私はこれを見てものすごいフラストレーションが溜まっていた。

 これが11話になってから一転、急に失敗続きになる。「良かれと思って」事情も知らずに引きこもり娘をいきなり強引に表に引っ張りだそうとしてしてしまい、結果としてひきこもり娘はパニック症状を起こしてしまう。その反応に戸惑うショーコ。なんでやねん。その程度の可能性もリスクも考慮しとらんかったんか、ありえないだろどんだけ温室育ちなんだよボケ!ってマジギレしそうになったけど、これもショーコに現実を教えるための1ステップだった。引きこもり娘は犠牲になったのだ…。


 そうして傷ついた状態のまま、ショーコは続けてLLFさんによるパーフェクトそげぶ教室の洗礼をうける。大人の汚さをみせつけられ、そして「父の生命」「リーダーとしての責務」という選択不可能な二者択一をつきつけられる。今までの楽天的な「人の心を信じればすべてうまくいく」とは違う世界を思い知らされる。(実はLLFさんによる時間稼ぎに使われただけであり)自分はどちらかを選択することも出来ず、その結果、よりにもよって自分が愛するハルトが敵の艦隊ごと父を殺すことになる。 自分はただ何も出来ずに手をこまねいてその一部始終を見ていただけ。徹底的に己の無力さを噛み締めさせられる。

これはひどいフルボッコ。 ショーコからしたら「マブラヴExtra編」をやっていたと思ったらいきなり「マブラヴAlternative編」に飛んでいた、くらいの認識の変化が起きたのではないかと思う。

「キャベツ畑」や「コウノトリ」を信じている可愛い女のコに無修正のポルノをつきつける時を想像する様な下卑た快感さ。その点人間の醜い部分を見続けた仙水の反応は実に理想的だったな。割り切ることも見ぬふりもできずに ただ傷つき絶望していった。そしてその度強くなった

今までの彼女は「LV1 なるたまメンタリティ」だったわけだけど、これがLV2に進化していくのか、それともモズグス様メンタリティに飛躍したりしてしまうのだろうか。11話の展開がショーコにもたらす展開からも目が離せない。



あ、勘違いしてほしくないんですが、
私は人の破滅が好きな訳じゃなくて劇的に人格が変わるシーンが好きなだけです。
挫折に負けずに成長してくれたらなお良い感じ。

http://d.hatena.ne.jp/TM2502/20130212/1360672464

他人のアイデンティティを(幸せによって)壊すのって、最高の暇つぶしだよな


余談。そういえば最近までモズグス様のことをモズクズだと思ってた。

https://twitter.com/TM25021/status/310021287202394112
「〇〇クズ」って言葉で最強なのは「モズクズ様」という定説。 
ベルセルクの中盤を一人で支えた感あるカリスマ。 
<うぬぅぅぅ!猪口才な!><目をそらしてはなりません> 
とかが口癖の 「モズクズ系男子」とか流行らないっすかね無理ですね。

とか言ってたら社会人の世界ではすでに流行ってたというオチがついて驚愕した。

*1:ハルトに襲われた時にもう処女じゃなかったと思ってるけどまぁそこはどうでもいいか